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(上)企業や地域に若い力

長崎市外海地区の約7キロ沖に浮かぶ池島。炭鉱施設の約1・5ヘクタールの跡地では、使用済みの金属部品をリサイクルする「池島アーバンマイン」の工場が稼働する。従業員80人のうち、10人は今春入った10〜20歳代の新戦力だ。

 同社は、炭鉱を経営していた松島炭鉱の親会社「三井松島産業」(福岡市)などが出資して2007年に設立。09年に工場の本格的な操業を始めた。従業員の多くは元炭鉱マンで、今年初めて炭鉱とは縁のなかった若者たちを採用した。

 その一人で、長崎市西山台に実家がある松添大(ひろし)さん(26)は製品の品質検査を担当。かつて炭鉱住宅だったアパートで暮らしている。「島にコンビニがあれば、と思うこともあります」と苦笑するが、「住む人はみんな温かく、いつも声を掛けてくれる」と新生活を気に入っている。

 1周4キロの小さな島で石炭の採掘が始まったのは1959年。ピーク時の85年の出炭量は約150万トンに上ったが、国が石炭生産の段階的縮小を打ち出したことなどから次第に減少。経営は悪化し、2000年2月に起きた坑内火災が追い打ちを掛け、01年11月29日、42年の歴史に幕を下ろした。

 閉山に伴い、住民の多くが流出したが、島の将来には明るい兆しも見えている。

新居に段ボール箱を運び込む小島さん。「島の魅力を発信したい」と意気込む

 10年末現在の人口は310人。うち、15〜64歳は全体の67・4%の209人で、65歳以上の高齢者は28・7%の89人にとどまっている。同様に旧産炭地で離島の長崎市・高島では、高齢者が半数以上の53・9%を占めるのとは対照的だ。

 島には今月も、新しい若い仲間が加わった。

 市の「地域おこし協力隊」に採用された小島健一さん(35)は14日、新居となる教職員用アパートの一室に、汗を流しながら生活用具を詰めた段ボール箱を次々と運び込んだ。

 埼玉県春日部市出身。各地の工場や産業遺構の写真を撮り、本にまとめるのが仕事だった。08、09年に取材で池島を訪れたのがきっかけで協力隊に応募。3日に島に入り、住む場所が決まるまで宿泊施設に滞在した。毎日のように島を歩き、住民と会話を交わして新天地に溶け込もうとしている。

 「島の魅力は十分発信されていない」と感じており、ホームページを作成して、炭鉱施設などを紹介する予定だ。

 以前からの住民も、新たな移住の動きに期待を寄せている。「一緒にイベントを企画し、島が活気を取り戻すきっかけになれば」と、池島港自治会長の近藤秀美さん(61)は話す。若い力が島に変化をもたらそうとしている。

     

2011年10月25日  読売新聞)
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