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<上> 長岡駅前変容を好機に

 「『大和』だけでもダメ、『アオーレ』がいっぱいでもダメ。(客が街を)回遊しないといけない」。14日夜、長岡市内で開かれた、JR長岡駅前の大和を含む地区を対象にした「まちづくり促進会議」。同駅西側の目抜き通り「大手通り」の商店主らでつくる大手通商店街振興組合の安藤栄治理事長(53)は、街のにぎわい創出を巡って、そう強調した。

 シティホールプラザ「アオーレ長岡」は、市が市街地活性化策の目玉として、JR長岡駅近くに建設する、市役所など公共サービスの複合施設。2012年1月オープンを目指す。

 いま、長岡の商業の核は、かつての駅前から、信濃川を挟んで西に2〜3キロの千秋地区などに移っている。アオーレ建設には、人の流れを大和のある駅前の中心市街地に回帰させ、にぎわいを呼び戻そうとの狙いがある。

 駅前では、大和長岡店を核とした再開発構想が15年ほど前から進められてきたが、事業が進まずにいた経緯がある。約1・2ヘクタールを対象に1998年に発足した「大手通表町地区市街地再開発準備組合」に大和も加わっていたが、大和側は2005年、「新たな投資は難しい」としていた。

 大和側は昨年、長岡店閉店が決まったのに伴い、市に対し、自社資産である土地・建物の購入を打診。市側は「事業目的を決めず、救済策としてでは、買えない」と態度を保留した。

 しかし、一方で市側は、「再開発までの間、にぎわいが途絶えないようにしたい」と、閉店後の施設を借り受ける方針を決定。25日の閉店後、ショーウインドーを大手通商店街振興組合が利用し、6月末で残務整理を終えた大和社員が撤退した後は、同組合が主体となって、まず1階部分を運営していく方向となった。

 安藤理事長は、この1階部分で、長岡市に編入合併した各地域の物産販売などをするアンテナショップを開こうと考えている。検討会議の前日、再開発準備組合の野本九萬雄理事長(72)らと相談した。

 市側は当初、市民団体の作品展示などを想定していた。安藤理事長らが物販にこだわったのは、同じ大手通り沿いで市民の発表場所になっている「市民センター」などと差別化を図り、人の流れを作るためだ。

約4万人が訪れた「ながおか食の陣」の会場。大和長岡店(左のビル)閉店後人の流れをいかに作るか、模索が続く(3月28日撮影)

 街にその底力は十分にあると、安藤理事長らはみる。3月28日、大和の前など大手通りの一部を歩行者天国にして開かれた飲食イベント「ながおか食の陣」に、約4万人が集まった。過去に市郊外の新産地区で実施した時を上回る集客で、主催した実行委は「予想外に多かった」と手応えを得た様子。大和長岡店の閉店セールも盛況が続いている。

 安藤理事長は、大和閉店を含めた駅前の変容を、まちづくりの好機と見る。アンテナショップ以外にも、長岡出身の軍人・山本五十六にちなんだイベントや、角地へのポケットパーク設置など、様々なアイデアを温めている。「チェンジ(change)はチャンス(chance)。英語では1字しか違わないよ」

2010年4月22日  読売新聞)
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