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小児科医 塚田次郎さん49 (06/8/22)

安心できる医療と福祉システム作りたい

写真:写真説明
 体の具合の悪い子を保護者に代わって預かる「病(後)児保育室」。回復期や病後児はもちろん、病気中の急性期も対象にした医院併設の「わたぼうし病児保育室」を出身地の上越市に開設して6年目を迎えた。

 常勤保育士3人を中心に、時に医療スタッフも動員して原則朝8時半から夕方5時半まで対応する。「はしかを除き、どんな症状の子も受け入れを拒まない」。乳幼児を抱えて働く保護者の味方として、全国的にもまれな試みを続けている。

 通常の保育園では具合の悪い子は預からないし、在園中でも保護者に引き取りを求めるが、すぐに対応できる保護者ばかりではない。自治医大を出て小児科医となって以来、子どもの急病で困り果てている保護者を何度も見てきた。「何とかしたい」と行き着いたのが、病児保育だった。

 特に、子育て負担の重い、働く母親を支えたいと思った。子どもが病気になっても安心していられる医療と福祉システムを作ることは、小児科医ならではの子育て支援ではないかと。それが1990年の開業以来の「夢」となった。

 その後、上越市が国の支援を受け、2か所に病後児対象の保育室を開設した。だが、思ったほど利用が伸びていない実態を知るや、「急性期の支援こそが必要」と確信し、2001年6月、私費で開設に踏み切った。

 初年度の利用者は延べ135人。5年目の昨年度は1350人と10倍に増え、会員登録者も62人から449人に。利用者の4人に3人が急性期で、予約なしの“急患”が半数を超えた。

 1日の利用枠は8人だが、ゼロの日もあれば、18人を受け入れたことも。1日平均は昨年度の5・6人から今年度は9・4人に増えた。当日の登録も可能で、「とにかくニーズに柔軟に対応する」がモットーだ。

 国も制度の普及に力を入れ、「病後児」を預かる施設は徐々に広がるが、「病児」はまだまだ少ないのが現状。恒常的な赤字も運営の課題だ。「わたぼうし」は公費助成がないため、収入は1日2000円の利用料と月200円の会費のみで、赤字は年1000万円を超えるという。

 しかし、やめるつもりはない。子どもが元気を取り戻す姿に、金には換えられない小児科医としてのやりがいを感じている。「今の夢は、日本のどこでもいつでも誰もが病児保育が利用できるようになること。実現する日まで頑張ります」

(山田博文)

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