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指定管理者倒産自治体に教訓(06/8/17)妙高の施設運営会社解散1か月妙高市の大規模リゾート施設「新井マウンテン&スパ」などを運営する「新井リゾートマネジメント」(妙高市)が突然の解散手続きに入って1か月余り。地元で波紋が広がる中、上越市もまた新たな対応を余儀なくされた。同社が上越市の牧場など3施設の指定管理者となっていたためで、市は急きょ条例を改正し、施設を直営に切り替えた。公の施設のサービス向上や経費節減を目的に全国で導入が進む指定管理者制度。指定管理者の倒産という全国でも異例のケースが、自治体にもたらした教訓は何か。(山田博文) 「資金繰りが悪化し、会社を解散することになった」。新井リゾートマネジメントから上越市に通知があったのは7月10日。同社は今年4月、上越市板倉区の光ヶ原高原牧場、光ヶ原わさび田、光ヶ原みずばしょうの森の3施設の指定管理者になったばかりだった。
同社の解散は、木浦正幸市長ら市幹部にとっても「寝耳に水」。市はただちに指定管理者を取り消し、施設に予約した団体への説明などに追われた。だが、今月9日に条例を改正して直営に切り替えるまで約1か月間、施設の管理者は不在となった。 ◎ 指定管理者の“倒産”という事態は全国的にもあまり例がなく、県内では初のケース。会社の選定方法など、疑問や課題がいくつか浮かび上がった。 昨年11月の選定委員会では、同社の財務体質を不安視する声があった。資本金3億円に対し、借入金は3倍の9億円。「資本金の割りに借金が多い」という指摘もあり、「管理の安定」という評価項目では8人全員が10点満点中5点以下。「管理の安定は望めず、指定はだめだ」と主張する委員もいた。 しかし、1999年から同社の子会社が施設を管理しており、指定管理者の公募に応じたのも同社のみだった。市は同社の財務事情を知りつつ、これまでの実績などを考慮して指定管理者に選定した。 施設管理を定めた条例はどうか。3施設を指定管理者に任せるとの条例が市議会で可決されたのは昨年9月。もし同社が選定されなければ、再公募が必要となり、それに応じる事業者がなければ、4月以降は管理者不在になる恐れもあった。 再び市の直営にするにも、今回のように議会を招集して条例改正する手間が必要だ。結局、市は5年間の管理予定を3年間に短縮する“特例”で、同社に管理を任せることにした。 ◎ さらに市にとって「想定外」だったのは、施設に市と指定管理者の財産が混在することだった。 光ヶ原高原牧場は200〜500円の入園料で、放牧されたヒツジやヤギ、ロバ、ポニーなどの動物と触れあえる人気の施設で、2005年(5〜9月)は約3万人の入場者があった。 ところが、約60頭の動物や牧場内の子ども向け木製遊具はすべて指定管理者側の所有物。市の直営になったことで、呼び物の動物は姿を消し、遊具にも「使用禁止」の札がはられた。 市に残されたのは、食堂の建物本体やイス、テーブルなどだけで、施設の魅力を維持するものはほとんどなかった。牧場は動物のいない無料の公園となり、食堂や売店は来年度まで休業するため、単なる「休憩所」となっている。 ◎ 今回の不測の事態から上越市が得た教訓は大きく次の四つだ。 (1)施設は、すぐに直営管理に移行できるものと困難なものに分類。困難な施設については、サービスの停滞を招かないよう「管理の安定」を重視して業者を選定する。 (2)指定管理者の財務状況は、選定時だけでなく、その後も適宜調査できるようにする。ただし、財務悪化による指定解除は現実には困難なため、具体的な解除条件などをあらかじめ定めておく。 (3)直営、指定管理者どちらでも選択できるような条例にする。そうすれば、指定管理者が倒産した場合も、ただちに直営に移行できる。 (4)長く「公設民営」で管理してきた施設は、主要な財産を民間が保有しているケースがある。施設の魅力維持に欠かせない財産は自治体の所有に切り替えておく。 ◆ 新井リゾートマネジメントはすでに、142人の従業員を全員解雇した。うち110人は妙高市や上越市に住むため、現在は両市を中心に離職者説明会や就職ガイダンスを開き、再就職先のあっせんを進めている。今月29日にも企業との面接会が妙高市内で予定されている。 一方、今月2日には「新井マウンテン&スパ」のホテルやスキー場施設を所有する新井リゾート(妙高市)、新井リゾート開発(東京都港区)などの関係者らが妙高市役所を訪問した。 この席で入村明市長は、冬の観光拠点として施設の営業再開を要望。会社側も新井リゾートマネジメントに代わる新たな運営会社を探し、営業を再開する意向を示したという。市は9月末までに再開方針を明らかにするように求めている。
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