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新潟競馬場 (06/4/25)芝鮮やか馬駆ける春新潟に春到来を告げる「新潟競馬」が29日、開幕する。開催はゴールデンウイークや夏場の年3回、わずか24日だが、観客は例年36万人に達し、新潟観光の目玉の一つに数えられる。緑の芝が鮮やかな新潟市の新潟競馬場を訪ね、開幕を待ちわびる人たちに会った。(敬称略) ◇
競馬場の外周を歩き、芝とダート(土)のコースを観察するのは毎朝の日課。「競馬場をくまなく歩いて馬場を見ろ」。先輩らの言葉を胸に、たっぷり1時間は馬場の観察に充てる。 福島の農業高校の造園科を卒業後、競馬の世界に飛び込んだ。美浦トレーニングセンター(茨城)と東京競馬場で計9年、馬場管理のイロハをたたき込まれた。 コースや馬場の状態について、騎手から注文を付けられることもしばしば。競走馬は故障の程度によって命を落とすこともある。けがに直結するコース上の穴や障害物には一際気を使う。「馬が力を発揮できる環境を整えるのに、未勝利戦もG1も関係ありません」 今年2月、新潟競馬場に配属された。冬の低温の影響で、今年は特に芝の生育が遅れた。芝の伸びが鈍い部分はシートで覆い、発育を促した。「気候によって変化する芝とダートは生き物。理想は、コースの内や外、どの部分を走っても同じ状態の均一な馬場を作ること。ただ、それが1番難しいんです」 新潟競馬の開催に携わるのは初めて。「自分が作った新潟の馬場から、ダービー馬を出したいですね」。新緑がまぶしいコースを見やり、笑顔がはじけた。 ◎ ◎
父泰之(61)に習い、食堂の手伝いを始めたのが2002年春。洋菓子職人を目指し大阪で修業していたが、「店を持つ」という幼いころからの夢に突き動かされた。 声を掛けられ、喜ぶ客もいれば、嫌がる客もいる。競馬新聞を読む、ちょっとした姿勢やしぐさで、その違いを見極められるようになった。負けが込んで声を荒らげる客にも、「負けて機嫌が悪くなるのは当たり前」と笑みを忘れたことはない。 新潟で開催される日は、昼時にもなると客席は競馬ファンであふれる。ありがたいことだが、「お客さんとのコミュニケーションが少なくなるのはちょっとさみしい」。 いずれは、父親の大胆かつ繊細な経営手腕と、気配りの行き届いた母親の接客をともに見習いたいと思う。今はただ、「勝ち負けに関係なく、気持ちよく食事をしてもらうこと」が何よりもうれしい。 ◎ ◎
多くの重賞レースが組まれる夏場は、80ある客室の約3分の1が競馬客で埋まる。午後5時を過ぎると、耳に赤ペンを差した競馬客でロビーは一気に活気づく。「勝って喜色満面の人も、負けて肩を落とす人も、どちらも温泉につかると不思議と元気を取り戻すんですよ」 競馬との縁は深い。幼いころ、競馬好きの父親に連れられて良く出かけた競馬場は、思い出の場所。高校卒業後、専門学校を出て東京のホテルに就職したが、25歳の時、冠月を営む親類から声が掛かり、思いがけず競馬客と触れ合うように。そんな客たちと言葉を交わすたび、亡き父の笑顔がよみがえる。 周辺に目立った観光資源のない月岡温泉にとって、若者が集まる競馬場への期待は大きい。「年配の方だけでなく、若い人にも気軽に使える旅館を目指します」 ◎ ◎
東京での学生時代、「走る芸術品」と呼ばれるサラブレッドの力強さと美しさに魅せられた。馬のそばに居たくて、長期休暇のたびに北海道や千葉の牧場でアルバイトをした。競馬界に飛び込むのに迷いはなかった。1976年に日本中央競馬会に入会した。 今年から、新設の2レースを含む12レースに手を入れた。岩室温泉や新発田城など県民に親しまれる観光地名を冠するレース作りにも取り組んだ。「大事なのはレースや馬に県民が『当事者感』を持つこと」と、地元密着の姿勢を忘れない。 新潟競馬場は全国で唯一直線1000メートルの芝コースがあり、そのスケールの大きさと、強い馬が力を出し切れる競馬場として知られる。「競馬はイギリスで『キング・オブ・スポーツ』と言われる。サラブレッドが力強く緑の中を駆けるさまを生で見たら、必ず感動してもらえると思うんです」 ◆ 2年前に初めて新潟競馬場を訪れ、あまりの美しさに思わず息をのみました。吸い込まれそうな空の青、深い緑。その中を駆け抜けるサラブレッドの優雅さ。自然豊かな競馬場は競馬ファンだけのものではなく、地元にとっての貴重な観光資源なのだと改めて気付きました。新潟での開催はもうすぐ。今年はどんなドラマが繰り広げられるのでしょうか。(平山一有)
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