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〈7〉人と人とのつながり「おいしい」で広がる輪■地元産にこだわり
「味は良いのに、形がいびつで出荷できない果実などを地元農家が持ち込んでくれることもあります」と店長の金子正美さん(47)。ジュース以外にも、地元の素材で作るカレーやみそ田楽など、多彩なメニューを用意している。 自治体が会社を設立し、こうした事業に乗り出した背景には、後継者不足などから農家の生産意欲が衰え、水と緑の風景が失われていくことへの危機感がある。 「多くの人に来てもらい、少しでも長くいてもらうことが重要で、それには付加価値が必要。地元産にこだわったメニューは、そのためのツール(道具)なのです」と同社企画管理事業課長の諸田三比呂さん(44)は話す。 ■身近な交流から 「おいしい」は「楽しい」につながり、それを感じ合うことで人の輪が広がる。
昨年11月の町産業祭では、大正時代に地域の農家がみそ造りに使ったという大釜を持ち込んで、すいとん汁を提供。その後、この大釜を子供会などの行事に貸し出す事業もスタートさせた。身近な交流の輪を広げることが、地域再生のカギになる。小川さんたちは、そう考えている。 ■畑を児童に開放
クラブ会員の畑を児童に開放、皆でニンジン、セロリ、キュウリなどを収穫し、野菜スティックやけんちん汁にして食べる。「野菜ってこんなに甘いんだね」「初めて生で食べられた」。子供たちから歓声が上がった。 「こうした体験が、いつか子供たちの目を地域の良さに向かわせ、将来の農業後継者が育ってくれたらうれしい」と伊藤さんは目を細める。 ◎ 「食」から見つめ直す、人と人とのつながり。その取り組みは、少しずつ、しかし確実に、その根を広げ始めている。(おわり) 【農産物直売所】 県流通販売促進室によると、県内の有人農産物直売所は昨年3月末で271か所。ほかに無人直売所が303か所あり、農家が自宅敷地内で売る「庭先販売」は979か所に上る。最近では、新しい村のように地元産食材を使った食堂や農作業を試せる体験農園、畑を貸し出す市民農園などを併設し、多機能化を図る直売所も増えつつある。
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