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〈7〉人と人とのつながり

「おいしい」で広がる輪

   ■地元産にこだわり


写真:写真説明
金子正美さん
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諸田三比呂さん
 宮代町が51%を出資し、2001年に設立した農産物直売施設「新しい村」。飲食コーナー「森のカフェ」では、直売所に並ぶ地元産野菜や果実を使ったオリジナルジュースが味わえる。トマト、小松菜、ホウレンソウ、ニンジン、巨峰、カキ――。どれも土臭さや苦みはなく、すっきりした飲み心地だ。

 「味は良いのに、形がいびつで出荷できない果実などを地元農家が持ち込んでくれることもあります」と店長の金子正美さん(47)。ジュース以外にも、地元の素材で作るカレーやみそ田楽など、多彩なメニューを用意している。

 自治体が会社を設立し、こうした事業に乗り出した背景には、後継者不足などから農家の生産意欲が衰え、水と緑の風景が失われていくことへの危機感がある。

 「多くの人に来てもらい、少しでも長くいてもらうことが重要で、それには付加価値が必要。地元産にこだわったメニューは、そのためのツール(道具)なのです」と同社企画管理事業課長の諸田三比呂さん(44)は話す。

   ■身近な交流から

 「おいしい」は「楽しい」につながり、それを感じ合うことで人の輪が広がる。


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NPO法人「すぎとSOHOクラブ」が主催した親子そば打ち教室(昨年12月18日、杉戸町中央公民館で)
 街づくりに取り組む杉戸町のNPO法人「すぎとSOHOクラブ」(小川清一理事長)は昨年12月18日、地域の子供たちとその保護者を対象に、「親子そば打ち教室」を開いた。地元農家から調達したそば粉をこね、延ばし、ゆで、そして食べながら、コミュニケーションを図る。


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小川清一さん
 小川さんは「一緒に働いて、遊んで、皆で同じものを食べる。その体験がないと、つながりは深まらない」と強調する。

 昨年11月の町産業祭では、大正時代に地域の農家がみそ造りに使ったという大釜を持ち込んで、すいとん汁を提供。その後、この大釜を子供会などの行事に貸し出す事業もスタートさせた。身近な交流の輪を広げることが、地域再生のカギになる。小川さんたちは、そう考えている。

   ■畑を児童に開放


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伊藤弘子さん
 “農家のお嫁さん”たちの交流の場として、春日部市庄和地区の女性農業者14人が01年に結成した「土と生きる庄和の女性トマトクラブ」(伊藤弘子代表)。「子供たちに本物の味を食べさせたい」と昨年11月26日、近くの宝珠花小5、6年生の11人を対象に初めての「料理講習会」を開いた。

 クラブ会員の畑を児童に開放、皆でニンジン、セロリ、キュウリなどを収穫し、野菜スティックやけんちん汁にして食べる。「野菜ってこんなに甘いんだね」「初めて生で食べられた」。子供たちから歓声が上がった。

 「こうした体験が、いつか子供たちの目を地域の良さに向かわせ、将来の農業後継者が育ってくれたらうれしい」と伊藤さんは目を細める。

      ◎

 「食」から見つめ直す、人と人とのつながり。その取り組みは、少しずつ、しかし確実に、その根を広げ始めている。(おわり)

 【農産物直売所】 県流通販売促進室によると、県内の有人農産物直売所は昨年3月末で271か所。ほかに無人直売所が303か所あり、農家が自宅敷地内で売る「庭先販売」は979か所に上る。最近では、新しい村のように地元産食材を使った食堂や農作業を試せる体験農園、畑を貸し出す市民農園などを併設し、多機能化を図る直売所も増えつつある。

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