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住民参加 関心低く声広がらず〈2〉

 「もっと関心があって当然だと思うんですが……」。大橋川(松江市)改修事業を市民と共に学ぼうと、2005年4月に「大橋川を勉強する会」を立ち上げた倉田健悟・島根大准教授(37)は市民の関心の低さに首をかしげる。

 治水事業は中海、宍道湖の環境や国際文化観光都市・松江の景観など多方面に影響する。だが、計14回の勉強会参加者は平均34人で大半は高齢の地元の人たち。「市民が案を出し合わないと、議論が深まらない」と倉田准教授は嘆く。

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 国と県は1979年、「斐伊川・神戸川の治水に関する基本計画」の内容を発表。▽斐伊川上流に尾原ダム、神戸川上流に志津見ダムを建設▽斐伊川中流で神戸川とつなぐ放水路を建設▽下流の大橋川改修と中海・宍道湖の築堤――の治水3点セットを打ち出し、ダムと放水路は2010年代に完成する予定だ。

 大橋川改修では、宍道湖大橋から中海河口の約7・5キロで堤防を建設し、川底を海面からの標高マイナス3・5メートルに掘削する。

 このほか、上流部は宍道湖からの入り口を滑らかにして、川幅を120メートルから140メートルにするため、南岸を拡幅する。これに伴い、松江大橋、新大橋をつけ替える。中流部では、支流の朝酌川を拡幅し、中の島31ヘクタールを9ヘクタールに削る。下流部では南岸を中心に拡幅する。

 3点セットの治水効果はどうなるか。国土交通省出雲河川事務所の試算は、150年に一度の豪雨(2日間で399ミリ)を想定。斐伊川の流量は最大で毎秒5100トンに達し、斐伊川・尾原ダムで毎秒600トンを調節、放水路で神戸川へ毎秒2000トンを分水する。大橋川改修で水を流す能力も高まり、未整備なら標高3・68メートルとなる宍道湖の水位は同2・5メートルに下がって、松江は浸水を免れるという。

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 改修事業の議論の場として、国は識者らによる「大橋川周辺まちづくり検討委員会」などを設けた。だが、自治会や商業団体が「堤防は水辺の景観を損なう」「10年もの工事で地域経済が衰退する」と反対し、合意の糸口は見えない。地元の男性商店主(65)は「検討委は事務局の案に沿って議論が進み、住民の思いとかけ離れている」と批判する一方、「事業を知る住民が少ない。声が大きくならなければ、国の言うがままになる」と住民側の理解不足も指摘する。

 県民の財産である汽水域の環境や景観と、治水をどう調和させ、松江の将来像を描くのか。行政だけでなく住民もその責任を負う。

 大橋川改修事業について、連載終了後に紙上討論会をしたいと思います。皆さんのご意見を郵送かファクス(0852・23・1413)、メール(matsue@yomiuri.com)で松江支局へお寄せ下さい。

2008年4月1日  読売新聞)
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