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まちづくり活性化巡り揺れる住民<3>北岸は歴史・文化のかおりを残す「和の趣」に、南岸は水辺の公園を中心としたまちづくりを――。 国土交通省出雲河川事務所が設けた「大橋川周辺まちづくり検討委員会」は昨年から今年にかけ、事業に伴うまちづくり案を打ち出した。宍道湖から中海までに水辺の景観と城下町の風情を生かした4種の散策コースを配し、松江大橋南詰に2600平方メートルの緑地公園を造って人を呼び込む。 ただ、松江大橋―新大橋間の南岸を20メートル拡幅、両橋をつけ替えることが前提。まちの活性化を図るのか、現状の景観を守るのか。拡幅による立ち退きもからみ、住民の意見は割れる。 ◇ 「商店街に人が来ない。これでは衰退する一方だ」 南岸の魚町など18町内会でつくる白潟地区町内会連合会の石原正会長(76)は現状にため息をつく。同連合会に属する魚町、八軒屋町、和多見町、白潟本町、灘町の、65歳以上が人口に占める高齢化率は約38%。魚町で創業62年のうなぎ料理店を営む石原さんは、後継者不在で廃業する商店が多い地区の未来に危機感を抱く。 連合会内では立ち退きへの反発もあるが、石原さんは「上流のダム、放水路建設では約650戸が移転した。下流だけ何もしない訳にいかない」と語る。そして、「白潟本町に集客力のある建物を建て、そこに立ち退いた店を移転させる。にぎわいを取り戻すにはそれしかない」と考える。 ◇ 魚町から松江大橋を渡った北岸の末次本町。ここで生まれ育った中学教諭山口純一さん(44)は昨年7月、南北両岸の30〜40歳代の若手商店主らに呼び掛け、「松江大橋を守る市民の会」を発足させた。 松江大橋が特に大切なものという意識は無かった。だが、つけ替えを知って、一抹の寂しさから、橋を調べ始めた。そのうちに同様の思いを抱く住民が集い、約30人で活動を始めた。 岡山産桜御影石の欄干、市民出資で設けられた展望部の張り出し。擬宝珠(ぎぼし)と灯籠(とうろう)が優美な弧を彩る、1937年完成の橋を調べるほど、水都・松江の象徴だと感じる。そして、「水位をたった20センチ下げるために拡幅する必要があるのか」と疑問がわいてくる。 昨年10月、会は大橋の誕生70年祭を開き、句会や大掃除を実施。今後も橋の両岸代表チームで競う「松江大橋杯綱引き大会」や「橋上フリーマーケット」などのプランを温めている。 「大橋は両岸を結ぶ架け橋。残すだけでなく活性化の起点にしたい」。山口さんは住民の手で町に活力を生み出そうと知恵を絞る。 大橋川改修事業について、連載終了後に紙上討論会をしたいと思います。皆さんのご意見を郵送かファクス(0852・23・1413)、メール(matsue@yomiuri.com)で松江支局へお寄せ下さい。 (2008年4月2日 読売新聞)
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