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環境調査 シジミ漁への影響懸念<4>この冬一番の大雪が松江を白く覆った2月16日。国土交通省出雲河川事務所が県民会館で開いた、改修事業の環境調査1次とりまとめに関する住民説明会。町の厳しい寒さとは対照的に質疑応答は熱を帯びた。 「シジミが採れなくなることは、100%ないと言い切れるのか」 「今の塩分予測では生息環境は維持できる」 「100%ないのか」 「生き物に関して100%とは言い難い」 「では、間違った時は誰が責任をとるのか」 出席者の男性による追及に居並ぶ同事務所幹部は黙り込んだ。「シジミ漁の話し合いは違う場で。時間も超過しているので、これで終了します」。質疑応答は時間切れに終わった。 ◇ 川の拡幅や川底の掘削を行う改修事業が大橋川と宍道湖、中海の水質や生態系に与える影響について、国交省が環境調査を実施し、今年1月に第1次とりまとめを策定。秋にも住民の意見などを反映して環境調査の最終とりまとめをする。 第1次とりまとめは、掘削や拡幅で行き来する水が増え、塩分濃度は宍道湖で0・39%から0・52%、中海で1・82%から1・91%に上昇するが、ヤマトシジミが他の生物より多い環境は変わらないとした。川底のコアマモの95・7%、河岸のヨシの34・4%が消失するとして移植し、影響が出る動物4種、植物5種は保全措置を講じるとした。 「生物にとって0・13ポイントの塩分濃度の上昇は決して小さくない」「ヨシ原が取りつぶされると鳥は繁殖も出来ず、行き場を失う」 同事務所が設置した、専門家による「大橋川改修に関する環境検討委員会」(道上正■・鳥取大名誉教授)は1次とりまとめの原案を審議。委員から影響を懸念する意見が相次いだ。 道上委員長は「塩分濃度上昇が魚やシジミなどにどう影響するか、生態系の予測は完全にはできない」と述べて継続した監視の重要性を説き、検討委は原案を承認した。 一方、島根大汽水域研究センターの倉田健悟准教授(生態学)は「中の島の掘削や、生物の多様性が高い下流の拡幅の影響が気になる。治水効果と改変する自然のバランスを考えて工事内容を決めるべきだが、国がどれだけ検討したのか疑問は残る」と指摘する。 ◇ 水が少しぬるんだ春の朝、多くのシジミ漁の小舟が松江大橋近くの川面に浮かんだ。この光景は将来も守られるのだろうか。 「治水の目的を全く否定するものではないが、組合員の不安は大きい。国は我々の思いを理解し、配慮するよう検討してほしい」。約300人のシジミ漁師を擁する宍道湖漁協の高橋正治参事(48)は組合員の思いを代弁する。 大橋川改修事業について、連載終了後に紙上討論会をしたいと思います。皆さんのご意見を郵送かファクス(0852・23・1413)、メール(matsue@yomiuri.com)で松江支局へお寄せ下さい。(■は矢に見) (2008年4月3日 読売新聞)
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