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ワールドカップ 2002
問われる警備 【上】

暴徒化前の防犯重要
 パイプいすや自転車を投げつける暴徒たち。英語で警告を発しながら、集団を切り崩して鎮圧を図る機動隊……。


鎮圧訓練で“フーリガン摘発”にあたる北海道警の機動隊員(1月22日)
 北海道警は一月二十二日、札幌市内のグラウンドで、フーリガンの鎮圧訓練を行った。酒を飲んで暴徒化した男たちが繁華街で暴れているという想定だった。

 W杯の国内十会場の一つ、札幌ドーム(札幌市豊平区)では六月七日、グループリーグでイングランドとアルゼンチンが激突する。

 イングランドは今や、「サッカーの母国」というよりも、悪名高いフーリガンで知られている。その上、アルゼンチンとは因縁浅からぬ間柄。フォークランド紛争や、八六年メキシコ大会でのマラドーナ選手の「神の手ゴール」などもあり、フーリガンが暴れ出す危険性は多分にある。

 一九七二年の札幌オリンピックの際には、約三千人体制で警備にあたった道警。今回は、それをさらに上回る厳重警備を行う方針だ。札幌ドーム周辺のほか、新千歳空港、歓楽街「すすきの」などを重点警備し、住宅地には絶対に暴徒を流入させない決意で臨む。

 試合当日は、英国の警察などから、フーリガンを見分ける「スポッター」(面割り捜査官)を派遣してもらい、水際での排除に全力を挙げる。ただ、外国人サポーターは一試合に二万人前後訪れるとも言われ、その中からフーリガンや“予備軍”をすべて割り出すのは、至難の業だ。

 「違法行為は見逃さない。しかし、過剰な反応は避けなければ」。道警警備課の大井雅次・次席が警備の難しさを語る。観客の盛り上がりと、暴動の予兆をどう見分けるか。強硬手段一辺倒では、“世界の祭典”のイメージダウンにもなりかねない。

 そこで重要になるのが、フーリガンが集団化、暴徒化する前に芽を摘むための防犯活動だ。

 道警は両国のサポーター同士を接触させないよう、最寄りの地下鉄駅から札幌ドーム出入り口までの移動ルートを完全に分離する。また、試合前後に大勢のサポーターが集まる大通公園や地下街などで地理案内をしたり、迷惑行為をしないよう徹底を図るという。

 「札幌できちんとしておかないと、各地に影響が波及する」と、全国注視の警備に意気込む道警。

 「イングランドのファンは、きちんと決まりを守って観戦すると信じている」。札幌ドームを一月下旬に視察した英国外務省のデニス・マックシェーン政務官はこう語っていたが……。


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