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受け入れ態勢

町おこしの起爆剤・交通対策が最重要

 小山町にある国道246号沿いの道の駅「ふじおやま」。一角に設けられた富士スピードウェイ(FSW)グッズの販売コーナーで、小山町商工会の米山享雄会長(66)らはてきぱきと指示を出す。「このジャンパーは目の高さに陳列して、目立つようにした方がいいよ」


写真:写真説明
渡辺重一さん
 F1開催を町おこしの起爆剤にしようと、町商工会は昨年5月、観光協会や飲食店、旅館組合などの代表22人を集め、「スピードウェイF1部会」を設立した。

 ふじおやまでのF1グッズ販売のほか、歓迎の横断幕、カウントダウン表示の電光掲示板設置などで、F1開催をアピールする計画だ。昨年11月からは、FSWの依頼を受けてサーキット場でのイベント時に消費行動を調査している。F1部会の渡辺重一部会長(59)は、「バスの発着地点にも売店を開設するなどし、町全体で盛り上げたい」と意気込む。

 富士箱根伊豆地域への外国人誘客を狙う県も、マスコミ向けPRの研究を始めた。F1は約180か国で中継され、1億5000万人が観戦すると試算されるビッグイベントだ。多額な広告宣伝よりも、メディアによる情報発信の方が効果が大きいというわけだ。

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 一方、決勝に14万人、予選を含む3日間で28万人の観客が想定され、渋滞を懸念する地元の声は切実だ。

 トヨタがFSWの買収を発表したのは2000年11月。町では、道路など社会資本整備に期待する声が上がる反面、「人口2万人の小山町に30万人も集まったらどうなってしまうのか」との懸念も出た。


写真:写真説明
道の駅「ふじおやま」に陳列されたFSWのみやげ物をチェックする小山町商工会の米山会長(左)
 町は01年度、鈴鹿サーキット(三重県)でF1を観戦するなど現地調査を実施。コンサルタント会社に委託し、観客輸送のシミュレーションも実施した。03年11月、渋滞対策などを協議するため、県や県警など約30団体で「富士スピードウェイ連絡調整協議会」を設立した。県企画調査室の小泉祐一郎主幹は、「交通対策は最も重要な要素で、最低限のハードルでもある」と話す。

 FSWは現在、愛・地球博(愛知万博)を手掛けたコンサルタント会社と輸送計画を練っているが、観戦チケットと来場手段をセットにした「チケット&ライド」方式を採用した。サーキット場への乗り入れはバスに一本化し、指定された駅や駐車場からバスに乗ってもらう仕組みだ。

 町企画調整課の小野巖副参事は、「売り手市場が見込めるF1ならではの方式。観客からは反発も予想されるが、地域を混乱させないというトヨタの強い意志を感じる」と評価する。

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 「町の中は非常に混んでいるのに、サーキット場にどんどん人が吸い込まれていくんだ」。町商工会などが昨年10月、F1日本グランプリ決勝日の鈴鹿サーキットを視察した際の印象を、米山会長はこう表現した。


写真:写真説明
斉藤礼志さん
 鈴鹿は基本的に自由入場で、FSWが計画するように来場手段を指定していない。併設の遊園地も通常営業を続け、F1マシンが轟音を響かせる中を、子どもがゴーカートで走り回り、観覧車からF1を見ている――。

 F1部会の斉藤礼志副部会長(54)は、鈴鹿が培ってきた20年のキャリアを感じた。「肩に力が入っていない。混雑もF1のうちということなのでしょう」

 交通対策は、知恵や工夫など開催地の総力が問われる。

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