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「歌う声優」ブーム起こす 茅原実里さん(宇都宮市出身)

アニメ発信 魂込めて

ライブで熱唱する茅原さん

 都内のスタジオで宇都宮市出身の声優・歌手、茅原実里さんは、アニメのキャラクターの動きに合わせて身ぶりを交えながら、感情を込めてセリフを読み込んでいた。二次元の世界のキャラクターに、声という“魂”を吹き込む作業だ。

 国際的に高い評価を受ける日本のアニメ。人気キャラクターを演じる声優のなかには、歌手として主題歌をヒットチャートの上位に押し上げ、モデルとして写真集やカレンダーを制作するなど、活動の場を広げる女性が相次ぎ登場している。茅原さんはそんな声優アーティストを代表する一人だ。

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 幼い頃から歌が好きだった茅原さんは、歌手を志して通った都内の養成所で、「声優の勉強をすることで、声の魅力が広がる」と助言されて声優に挑戦した。深夜番組のテレビアニメの主役を射止め、2004年にデビュー。その縁で歌手としてアルバムも発売した。「声優業との出会いが、歌う機会をくれた」と振り返るが、デビュー当初はなかなかヒットには恵まれず、ギターの勉強をしながら秋葉原で路上ライブを重ね、チャンスを待ち続けた。

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 06年に声優としても歌手としても大きく飛躍する作品と巡り合う。人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のヒロイン役の一人に起用されたのだ。「博識で寡黙な宇宙人の女子高生」という不思議な役柄で、短くて難解なセリフも多い。「これまでは感情をどう表現するかを考え、『これでもか』というほど大げさにやってきた。真逆の環境に戸惑った」という。

 原作小説を読み込み、役柄のイメージに合わせて青い服を着て心情に近づくように準備し、全力で役を演じた。作品は従来のアニメの枠を超えた人気作となり、CDも大ヒットを記録、「歌う声優」ブームを起こした。「声優としての引き出しが増え、歌手として飛躍するきっかけになった」と語る。出演したアニメ作品は30を超えた。

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 海外でのイベントにも積極的に参加し、日本のアニメ文化の発信役を務める。昨年7月にはマレーシアで初の海外単独ライブを行った。舞台に飛び出すと約1000人の観客から「ミノリ、ミノリ」と大きな声援がわき上がった。会場にはコスプレ姿のファンもいて、「日本のアニメや歌が世界でこんなに愛され、気持ちをつなげてくれるなんて」と感激し、「色々な国の人に自分の気持ちや歌を聞いてもらいたい」との思いを新たにした。

 父親の仕事で転居する4歳までを宇都宮市で過ごした茅原さん。祖母は現在も宇都宮市内に住み、盆と正月には帰省するようにしている。最近は多忙で足が遠のいているが、「県内の温泉でゆっくりしたい」と話す。

 今年4月からの全国ツアーでは宇都宮市で初めての公演を予定する。「栃木県は心安らぐふるさと。ライブができてうれしい」と気合を入れる。アニメでも歌でも、その柔らかな声に乗せて、自分の気持ちを伝えたいと思っている。(谷合俊史)

2010年1月12日  読売新聞)
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