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(2)サンゴはかない繁栄
館山沖の水深12メートルの岩場に広がる造礁サンゴ
縄文時代のサンゴが化石になって残っている(左がタバネサンゴ。三瓶さんが手にしているのはキク
ウミトサカやウミウチワなどのカラフルなソフトコーラルが揺れる
岸から船で5分足らずの千葉県・館山沖の海は暖かく、水中にカラフルな小魚やサンゴの一種「ソフトコーラル」が揺れていた。 東京湾は世界の造礁サンゴの北限だ。ダイビングショップを25年間営む成田均さん(61)によると、最近、暖かな海で暮らすブダイが目立つほか、サンゴのコロニーが増えたという。暖かな海のサンゴが、東京湾で30種ほど確認されている。成田さんは「地球温暖化のせいかな」と首を傾(かし)げる。 あまり知られていないが、縄文時代にあたる6500年から5500年前は、房総半島周辺に100種類以上のサンゴが生息していたという。サンゴ研究家の三瓶雅延さん(62)の案内で海に近い雑木林に入ると、白く大きな石灰岩の塊、サンゴの化石が幾層にも重なっていた。今の奄美諸島のようなサンゴ礁が息づいていたらしい。 近年の温暖化で、東京湾の造礁サンゴが縄文時代の姿に戻るのか――。それはなさそうだ。昔の数百年単位で起きた壮大な気候変動と違い、地球がかつて経験しなかった急激な変化だからだ。 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、「このまま2050年代までに平均気温が1度から2度上昇すると、各地でサンゴが白化する」と予測した。白化すれば、ほとんどが死ぬ。東京湾の造礁サンゴは、いつまでその姿を保てるだろうか。 (文・ネイチャーズ・プラネット代表 藤原幸一、写真・佐々木紀明) (2008年9月10日 読売新聞)
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