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粋な街神楽坂を次世代に

「らしさ」残す提言冊子化

「神楽坂の街づくりを知ることができる一冊です」と話す石井さん

 江戸情緒漂う雰囲気が今も残る神楽坂(新宿区)で、「粋」な街を次世代に残そうと、地元商店主らが街づくりの活動記録と提言を1冊の冊子にまとめた。花街として栄えた神楽坂周辺には、風情ある路地や料亭などが残る一方、次々とマンションなどの開発の波が押し寄せてきた。編集にかかわった関係者は「持続可能な街づくりに活用してほしい」と願っている。(渡辺光彦)

 冊子のタイトルは「粋なまちづくり 過去・現在・未来」で、1997年に発行された「キーワード集」の第2弾。地元商業者や街づくりを支援するNPO法人メンバーなどでつくる制作委員会が編集した。

 今回の第2弾では、「粋な街」「ヒューマンスケール」といった第1弾で掲げた理念に基づく住民たちの活動の記録と、10年後の街を見据えた提言をまとめた。

 「神楽坂まちづくり奮闘記」と題した章では、次々と浮上したマンション計画に対応した歴史を「連戦連敗だった」と総括。

 地元側の要望を受け、当初計画からマンションの高さを下げたケースもあったが、合法建築である以上、開発そのものを止めることはできず、神楽坂らしい「粋」が損なわれていった。

 こうした反省から、区に働きかけて、都市計画法に基づき建築物の高さなどを制限する「地区計画」を神楽坂3〜5丁目で決定。現在、周辺地区でも、同様の動きが進んでいる。制作委員長で和装小物店「助六」の3代目店主、石井要吉さん(61)は、「我々の記憶だけでは代替わりなどで風化してしまう。新住民も含め、今後の街づくりの参考にと記録に残した」と話す。

 街並みが変化する一方、芸妓(げいこ)をどりなどの復活や寄席の開催など花柳界とタイアップした取り組みや、街歩きガイドによる紹介などで、街を訪れる人は増えた。

 だが、石井さんは、「昔から変わらない魅力があればこそ。次代に残さなければ一過性のブームで終わってしまう」と警鐘を鳴らす。

 「10年後のまちへの提言集」の章では、神楽坂に事務所を構える建築士や弁護士、大学教員のほか、毘沙門天善国寺の住職、赤城神社の宮司らが、「味わいのある木造建造物を評価して残そう」「伝統芸能を上演できる劇場を作ろう」などとメッセージを寄せた。

 地元で街のガイド「かぐらむら」を発行し、制作に携わった長岡弘志さん(58)は「様々な形で街づくりにかかわる『オール神楽坂』の思いを結集できたのではないか」と話す。

 1部1500円で、神楽坂の書店で販売。問い合わせは、サザンカンパニー(03・5227・2772)へ。

2010年4月9日  読売新聞)
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