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〈1〉高まる条件「30代前半 年収2000万」希望土曜の夜、銀座の雑居ビルの一室。男が約20人、女も約20人がテーブル越しに向き合って座っている。暖色のライトが照らす中、一見、「合コン」のようでもあるが、一緒にお酒や食事を楽しむわけではない。 参加者の手元には、自身のプロフィルを書いた紙が1枚。職業、年収、趣味、身長、学歴、居住地の6項目。このプロフィル表を交換した相手と、5分の制限時間内で互いに質問を交わす。時間が来ると、ペアを変える。プロフィル交換が一通り済んだら、次はフリータイム。気に入った相手と自由に会話を楽しむ。 「1回のパーティーで4〜5組のカップルが誕生します。結婚まで至るかどうかは分かりませんが」と、パーティーを主催した都内のイベント会社の担当者。男女の出会い作りを目的にした「カップルパーティー」は近年、都内の繁華街などで頻繁に開かれるようになった。会社帰りのサラリーマンやOLを対象にした「平日パーティー」や、男性については、医師や弁護士・一流企業の会社員しか参加できないという「セレブパーティー」もある。 ◎ ◎ ◎ 世田谷区内で両親と同居する女性(32)は、そんなセレブパーティーの常連だ。初めて参加したのは28歳の時だった。 初めて友人に誘われた時は「抵抗があった」が、考えてみれば、高収入の男性と出会える絶好の機会。「結婚願望は人並みにあった」し、男性との接点が少なかったため、次第に足しげく通うようになった。 私立大を卒業後、銀行に就職したが、「働くだけの毎日」に嫌気がさし、3年で退職。母はいい顔をしなかったが、父は「好きなようにやれ」と言ってくれた。フラワーアレンジメントの資格を取ったが、再就職の口がなく、家事手伝いをしながら、月5万円の小遣いを親からもらっている。 現在は月に2回ほどパーティーに参加。これまで3人の男性と知り合って交際したが、「相性や性格が合わず」、いずれも自分から別れたという。「結婚は人生の中で最も重要なイベントの一つ。だから(相手の性格も収入も)妥協なんてしたくない」。4年前に誘ってくれた友人と、今も一緒にパーティーに出席することもある。 ◎ ◎ ◎ 「30代前半で年収2000万円以上の男性を希望します」。昨年、結婚相談所「アベニュー」(渋谷区広尾)を訪れた女性(32)の言葉に、面接担当者は一瞬、あっけにとられた。担当者は「40代なら年収1000万円以上の人も多く紹介できます」などと水を向けたが、女性は「条件」にこだわった。 会員制を採用する同社は、入会基準を設け、年間で100人以上の入会を断るという。断る理由で多いのが、現実離れした要望に固執する人。浅井信行・統括部マネジャーは「非現実的な望みを追求する人でも、入会してもらえば利益は上がる。でも結局、何もしてあげられない」と話す。 同社の昨年のデータでは、女性が入会時に最も重視する条件は、「年収」で断然トップ。3年前まで「学歴」や「身長」もトップ争いに食い込んだが、今はほとんどの女性が年収1000万円以上を希望する。 1965年から世田谷区で結婚相談所を開いている「みのり会」の藤田誠専務も、「最近、結婚相手に対する要求の高まりが目立つ」と話す。藤田専務がこの仕事を始めたころは、「一定の年齢になると、結婚するのが普通だった」し、性格や相性を大切に考える人が多かった。現在も、性格などを重視するのは同じだが、それだけで結婚に踏み切る人は確実に減った。 「結婚は幸せにつながるという考えは昔も今も同じだが、今は、生活が向上しなければ結婚しなくてもいいと考える人が増えた。この傾向は今後も続くだろう」。藤田専務はそう指摘している。 ◎ 平均初婚年齢 厚生労働省の人口動態統計によると、2005年の平均初婚年齢(全国)は、男性29・8歳、女性28・0歳。東京都では、男性31・2歳、女性29・2歳となり、全国で最も年齢が高い。都の場合、1975年と比べると、男性で3・6歳、女性も3・7歳遅くなっている。
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