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独居高齢者の生活守るコンビニ商品 移動販売1か月江府町などでスーパーなどを展開する安達商事(安達享司社長)が、山間地の集落を巡る移動販売車「ひまわり号」に、コンビニエンスストア大手のローソンの弁当や総菜などの商品を載せて1か月がたった。全国初の試みで、コンビニが得意とする「少量売り」など一人暮らし向け商品が、独居の高齢者世帯を中心に好評で、この1か月の売り上げは前年同期より8%増えた。一方、マイカーなどの交通手段を持たない高齢者が、移動販売に頼らなければならない過疎の課題が浮き彫りになっている。(米子支局 石原敦之) 江府町内の山あいの集落に、週2回訪れるひまわり号が、住民からリクエストされた演歌を流しながら到着した。防災行政無線が到着を知らせると、住民が1人、2人と集まってきた。職員と談笑しながら車内の冷蔵庫や棚から商品を選び、提げてきた買い物袋いっぱいに買い込んでいく。 客のほとんどは70、80歳代。農業女性(76)は「車を運転できず、バス停も遠い。町の中心部まで出かけるのは大変なので、近くまで来てくれる移動販売は助かる。商品を選ぶのも楽しみ」と話す。 江府町内は65歳以上の高齢化率が約38%で県内3位。集落は谷あいに点在するうえ、町の中心部から10キロ以上も離れている所もある。交通手段を持たない高齢者にとって、移動販売は日常生活に欠かせない。 安達社長は「農繁期と重なり、すぐに食べられる米飯類が特に好評だった。弁当の予約も入るようになるなど反響は大きく、一人暮らし向け商品の需要の高さを実感した」と手応えを感じている。 ローソンは「地域密着の店舗経営を目指す」として移動販売に乗り出したが、続く動きは見られない。むしろ、過疎化に伴い、スーパーは統廃合の流れだ。安達商事の店舗や移動販売もJA鳥取西部などが支所を統廃合した中で引き継いだものだ。安達社長は「地域の高齢者たちの暮らしを守りたかった。このままでは地域はますます活気を失ってしまう」と振り返る。 江府町は「なくてはならない存在」と期待をかけるが、財政が厳しく、支援は移動販売の路線の除雪を優先し、防災行政無線を無償で提供するよう自治会に呼びかけるくらいだ。 高齢化率が40%を超える日南町では、JAスーパーの引き受け手がおらず、ここ数年で7店舗中3店舗が閉鎖された。町中心部から20キロ近く離れた集落で閉店したものもあった。町は、高齢者が買い物や通院で利用できる有償送迎の実施を検討している。 こうした高齢者世帯の孤立は、ほとんどの山間地域に共通する課題だ。地域の危機を〈ビジネスチャンス〉に転じる安達商事のような企業を支え、育てる対策が行政には急がれる。 (2008年5月26日 読売新聞)
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