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<中> 松本真佐紀投手 23家族のため挑戦再び
振りかぶった後、腕が背番号を隠すように背後にしなる独特のフォームから、直球が飛び出す。相手打者は引っかけ、二塁手が慎重にさばいてゲームセット。チーム唯一の「子持ちプレーヤー」は初セーブをあげた。 ○ 2人の出会いは、大学時代。共に岡山県の出身で、地元の大学の野球部で選手とマネジャーだった。松本が2006年に大学を卒業し、同年7月に結婚。野球を続けたい一心で、清掃のアルバイトをしながら、鳥取県の社会人チーム「鳥取キタロウズ」でプレーしていた。 しかし、みどりの妊娠が分かり、生活の安定を考えて就職活動を始めた。小学3年から続けてきたトレーニングをやめると体調が崩れた。 すると、就職活動にも逆に身が入らない。そんな時、試しに、北信越BCリーグの門をたたいた。 トライアウトを受けたのは06年11〜12月。みどりの出産は間近になっていた。松本は、すぐに後悔し「もう、野球はやめる」とみどりに告げた。直後の12月末、不合格と分かり、いったんは気持ちの整理も付いたという。 しかし、今年1月25日のドラフト会議で、合格者が1人辞退したため、リーグ関係者から同日、松本に補欠合格の打診があった。 1週間悩んだ末、「やっぱり、BCリーグに挑戦したい」とみどりに打ち明けた。答えは早かった。「本当は、野球をやめてほしくなかった。納得いくまで続けて」 ○ 4月のオープン戦では、8試合中4試合に登板し、チームの投手陣ではただ一人、防御率0を記録。抑えの切り札として活躍が期待されている。 ただ、生活は決して楽ではない。3月から住む富山市内のワンルームマンションには、娘も加わって、4月からは3人住まい。チームから支給される15万円の月給の半分近くが家賃で無くなる。やりくりで補えない分は、貯金を切り崩したり、両親からの仕送りに頼ったりしている。 「野球をしている彼が好き」。そう言って不満な顔を見せない妻のため、夫として、父として、そして一人のプロ野球選手として、野球に懸けていこうと心に誓っている。 (敬称略)
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