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秘策12 甲府に「占い通り」を

パワースポットも近い

甲府市内の占い店には県内外から客が集まる
街に元気を!

 テレビの星占いコーナーで、今日の運勢を確かめてから出勤する女性は少なくない。近頃は、昇仙峡や富士山を元気がもらえる「パワースポット」としてとらえる旅人たちも目立ち始めている。これらが持つ神秘性には、人をひきつける力があるのは間違いないようだ。ならば、甲府の商店街に占い師を集めた「占い通り」を設けてはどうか。商店街と占いは意外と相性も良さそうだ。

 猛暑日の日差しが厳しい9月上旬の週末。甲府市の昇仙峡の「仙娥(せんが)滝」で涼んでいた東京都板橋区の会社員、椎名聖美さん(29)は、雑誌でパワースポットと紹介されていたことから興味を持ち、今回初めて訪れた。パワースポットには科学的根拠はないが、占いの世界で「気」が集まる場所とされる。

 昇仙峡を堪能した椎名さんだが、ほかの場所には立ち寄ることなく駅に向かった。「仕事で疲れた心を癒やしたいから、パワースポット巡りや占いが好き。他県ではパワースポットだけではなく、商店街の占いにも行ったこともあるけど、山梨には面白そうな場所がないですね」

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 タロット占いなどの見本市「スピリチュアルマーケット(スピマ)」の仕掛け人として知られる村上浩美さんは「甲府は水晶など占いに関する特産品や、昇仙峡や富士山などのパワースポットも多くある。パワースポットの旅人と占い好きの人は多くが重なりますよ」と教えてくれた。

 スピマは2008年から月3回ほどのペースで、東京、大阪など全国10都市のいずれかで開催。来場者は毎回500人ほどいる。村上さんは「景気が低迷しても、現代の若い女性たちは心のエステを必要としている。甲府の商店街に占い通りが実現すれば面白いと思いますよ」と期待する。

 占い通りには、パワースポットブームとの相乗効果も期待できそうだ。

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 商店街と占いの組み合わせには、すでに成功例がある。大阪市の福島聖天通商店街は02年8月、「売れても占い商店街」と銘打ち、占いで商店街のにぎわいを取り戻すイベントを始めた。毎月第4金曜日は「占いデー」として路上に20人以上の占い師を呼び、「占い通り」を構える。

 占いデーには、全国から占い目当ての人だけで300人以上が訪れるという。商店街では「大吉コロッケ」や「開運ネクタイ」といった占いと関連付けたセールをしている。同商店街振興組合の副理事長、草野則一さん(66)は「占いに興味を持つ人が予想以上に多くて驚いた。今では全国の商店街関係者が視察に来ますよ」と胸を張る。

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 甲府の中心街でもできないか。

 甲府市丸の内の商業施設で6年間占い店を営む上田泰鈴さん(63)も「占いを商店街の活性化につなげられるなら喜んで協力します」と前向きだ。3人の占い師とともに店を運営する上田さんは「私たちの仕事は小さなスペースと占い道具があればできる。弟子や知人の占い師などを全国から集めれば実現は可能です。商店街の協力があれば、まずは空き店舗などを使った短期的なイベントならできそうです」と話してくれた。

 甲府中心街などの商店街を束ねる甲府商店街連盟の長坂善雄会長(65)に「占い通り」の案を持ちかけると、「私もそういうことを考えていた」という。長坂会長は、甲府市中心街「かすがも〜る」の一角を指さして言った。「いずれここにキティちゃんをまつった『神社』を造りたい。甲府市出身で、キティちゃんの生みの親であるサンリオの辻信太郎社長の協力を得られないかと思っている。神社周辺は『占い市』にしたいね」。さすがは大将。あとは実現へ動くだけだ。(佐藤友紀)

船井総合研究所上席コンサルタント 岩崎剛幸さん

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経営戦略が専門の船井総合研究所岩崎剛幸上席コンサルタント

 景気が低迷する中、仕事で頑張っても報われないと感じている多くの若い女性会社員たちの「手軽にホッとする場所で癒やされたい」という要求の高まりが、パワースポットブームにつながった。以前はスピリチュアルというと「あやしい」イメージがあったが、今はファッション感覚で柔軟に受け入れている人が多いようだ。

 山梨には水晶という伝統工芸がある。商店街の店主らが水晶とスピリチュアルなものをおしゃれに結びつけるなど、地域の特色を生かした企画を街全体で進めることが集客の要になるだろう。

2010年9月26日  読売新聞)
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