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    テレ東がシリーズで放送、かいぼり認知度上昇

     「かいぼり」が行われている東京都立井の頭公園(武蔵野市、三鷹市)の井の頭池はかつて湧き水が豊富で、江戸時代には上水が引かれ、江戸のまちの水がめとなっていた。

     井の頭公園の開園は1917年。池の水は当時澄んでおり、21年、池に開設された水泳場では市民が遊んだり、泳いだりする姿も見られた。だが戦後、周辺の開発が原因とみられる湧き水の減少やゴミのポイ捨て、外来種の侵入などで池の環境は激変し、水質悪化が大きな問題になっていた。

     都などは2013、15年度のかいぼりで、計約3万8000匹の生き物を捕獲。13年度に井の頭池を構成するお茶の水池など3池で取れた生き物は、オオクチバス、ブルーギルといった外来種が8割を占めた。

     だが、15年度にはモツゴ、ナマズなどの在来種が増え、外来種は6割にまで減少した。オオクチバスは2回のかいぼり以降、捕獲されておらず、13日も確認されなかったことから根絶したとみられる。16年には、新種として井の頭池などで発見されたものの、その後姿を消していた絶滅危惧種の水草「イノカシラフラスコモ」が約60年ぶりに復活しているのが確認された。

     一方、天敵のオオクチバスがいなくなり、数が増えてしまったアメリカザリガニのような外来種もいる。かいぼりを行っても穴の中で生き残るため、完全な駆除は困難といい、都は今後も数年に一度はかいぼりを実施し、外来種の駆除を進めていくとしている。

     かいぼりは、もともと農業用のため池の設備保全などを目的に関西地方で定着していたが、最近は外来種駆除など「環境保護」を目的にため池が少ない関東地方でも行われるようになった。都内では03年に皇居外苑の牛ヶ淵で行われて以降、徐々に増えている。

     昨年からはテレビ東京で「池の水ぜんぶ抜く大作戦」シリーズが放送されてかいぼりの認知度が上がり、公園の池という身近な自然への関心は高まっている。

     井の頭公園や光が丘公園でかいぼりを実施してきた認定NPO法人「生態工房」の片岡友美さん(45)は「天日干しなど地道な工程を経ることで池の環境は改善する。かいぼり自体がゴールではなく、外来種の侵入や水質汚染がなくなるよう、継続的に監視することが重要だ」と訴えている。

    2018年01月14日 15時36分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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