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    元村長「塩じい」精製、「神宿る島」の天然塩

    • 煮詰めた海水から塩の結晶をすくい出す河辺さん
      煮詰めた海水から塩の結晶をすくい出す河辺さん

     福岡県宗像市の離島・大島や沖ノ島周辺の海水を使って、元大島村長の河辺健治さん(69)と千波ちなみさん(63)夫婦が作る天然塩が人気を集めている。

     両島には、世界文化遺産登録を目指す「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の構成資産があり、河辺さんは「世界遺産ゆかりの塩としてアピールしていきたい」と意気込む。

     河辺さんは2003~05年、宗像市と合併する前の大島村で最後の村長を務めた。退任後は友人らと会社を設立し、食堂経営や焼酎、まんじゅうの販売などを行った。4年ほど前から個人商店「大島村商店」を始め、千波さんと一緒に製塩に取り組んでいる。

     主に大島周辺でくんだ海水を使用。屋外に据えたステンレス製の釜で、知人が持ち寄った廃材や木材を4、5日間、燃やして煮る。結晶になったら2日間天日で干し、ごみを取り除いたうえで袋詰めにする。

     160グラム入りは税込み500円、80グラム入りは同280円。漁に出た知人からもらう沖ノ島沖の海水を使った塩などをセットにした「女神の塩」(税込み400円)も大島限定で販売しており、店頭に並べるとすぐに売り切れるほどの人気だという。天然塩はパンやキャラメル、サイダーなどと組み合わせて、商品化もされている。

     結晶をすくい取る体験企画も行っている。参加した若い女性を中心に「この塩を使ったおにぎりのおいしさは格別」といった口コミが広がり、河辺さんには「塩じい」というニックネームも付けられたという。

     しょうゆ醸造所や飲食店からの引き合いもあるが、河辺さんは「毎月30キロを精製するのが精いっぱいで引き受けられない」という。天然塩の販売は当面、大島島内だけで続ける予定で、「来島者の増加や島の活性化につなげたい。塩づくりに関心を持つ人も増えてほしい」と話している。

     問い合わせは、大島村商店(0940・39・0170)へ。(柿本高志)

    2017年06月16日 07時53分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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