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    羊肉じわり高騰、ジンギスカン店に値上げの波

    • 国際的な羊肉相場の高騰で、値上げの波が押し寄せているジンギスカン(9日、札幌市中央区のふくろう亭で)
      国際的な羊肉相場の高騰で、値上げの波が押し寄せているジンギスカン(9日、札幌市中央区のふくろう亭で)

     北海道名物・ジンギスカンに欠かせない羊肉がじわじわと高騰している。

     国内流通量の9割以上を輸入に頼るなか、中国での需要増による国際的な相場での価格上昇が背景にある。値上げに踏み切った札幌市内のジンギスカン店は、客離れを懸念している。

     ◆値上げ相次ぐ

     9日夜、ススキノにある生ラムジンギスカン店「ふくろう亭」では、仕事帰りのサラリーマンや観光客らが囲む卓上から、香ばしい煙が上がっていた。同店はオーストラリア産やニュージーランド産の羊肉を仕入れており、価格の高騰を受けて今年5月、生ラム肉1人前(約100グラム)の値段を850円から900円に値上げした。

     同市内のほかのジンギスカン店を取材したところ、今年2月以降、複数の店が相次いで値上げに踏み切っていた。

     ふくろう亭の松村秀則社長(50)は「(値上がり幅は)肉の部位にもよるが、軒並み値上がりしている。肉自体は何とか確保できているが、(価格が)下がる気配がない。お客さんが離れていかないか心配だ」と嘆く。

     同店に同僚と訪れていた同市手稲区の会社員の男性(38)は「2週間に1回はジンギスカンを食べる。皆で気軽に食べられることこそ魅力。これ以上の高騰は勘弁してほしい」と話した。

     財務省の貿易統計では、今年4~6月の羊肉(骨付きでない肉、冷凍)の1キロ当たりの単価は741円。昨年同期の602円から2割以上値上がりし、843円と近年で最も高かった2015年に迫る勢いだ。200円台だった00年代初めと比べると、3倍以上になっている。

     ◆健康志向で注目

     背景にあるのは、中国における羊肉の大量消費だ。中国では経済成長とともに「健康と美」に対する意識が高まり、低カロリーで高たんぱくの羊肉が注目されるようになった。近年は羊肉や野菜を激辛のスープで煮て食べる中国風の寄せ鍋「火鍋」ブームの過熱を受け、オーストラリア産やニュージーランド産の羊肉が大量に買い付けられており、国際的な相場で高騰につながっているという。

     羊肉の流通に詳しい酪農学園大の深沢史樹准教授(農業経済学)は「経済成長とともに鶏から豚、豚から牛へと消費が拡大していくのが通常だが、中国の場合は牛ではなくて羊の消費が伸びている」と指摘。内陸のウイグル自治区や内モンゴル自治区の羊肉文化が都市部に広まっているという。

     深沢准教授は「中国でも羊肉の増産を図る動きはあるが、全く需要に追いついていない。中国の経済成長が続く限り、羊肉の需要も高まり続けるのではないか」とみている。(村石綾)

    2017年08月11日 12時19分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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