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    箱根観光支え半世紀、「ホテル小涌園」営業終了

    • 開業当時の「箱根ホテル小涌園」(1959年、箱根小涌園提供)
      開業当時の「箱根ホテル小涌園」(1959年、箱根小涌園提供)
    • 宿泊客を見送る従業員たち(10日午前、箱根ホテル小涌園で)
      宿泊客を見送る従業員たち(10日午前、箱根ホテル小涌園で)

     半世紀余りにわたって箱根観光の屋台骨となってきた「箱根ホテル小涌園」(神奈川県箱根町)が10日、その歴史に幕を下ろした。

     施設の老朽化や箱根小涌園の複合リゾートとしての再開発に伴うもので、宿泊機能は隣地に開業した高級ホテルの「天悠」が引き継ぐ。

     ホテル小涌園は国内旅行ブームに乗って1959年、別の1棟とともに2000人が宿泊できる大型施設として開業。団体客や修学旅行生らを受け入れてきた。だが、近年は旅行スタイルが団体型から個人型へと変化し、きめ細かい顧客ニーズに対応することが難しくなっていたという。

     一帯の再開発を進めるホテル運営会社の藤田観光(東京都)は昨年、全室露天風呂付きの「天悠」を先行オープンさせた。近くのツツジ園「蓬莱園」には、外国人観光客の増加が見込まれる2020年の東京五輪・パラリンピックに合わせて「離れ」がある高級宿泊施設を開業する計画だ。ホテル小涌園の跡地利用は決まっていないという。

     松田隆則・総支配人は「感無量。きょうを小涌園がお客のニーズに合わせて進化し続ける第一歩とし、再開発を加速させたい」と話した。

     ◆「次の施設楽しみ」「働けたこと誇り」…最後の宿泊客見送り

     宿泊受け入れの最終日となった9日、ホテルは224室が満室になった。翌10日には朝からホテルロビーに従業員らが整列し、総出で最後の客を見送った。

     家族で5~6回来たことがあるという岩手県に住む77歳と70歳の姉妹は「ホテルは落ち着いて温泉もよかった。営業を終了するのは残念だけれど、次にできる施設が楽しみ」と感慨深げに話した。

     過去にホテルの調理場で働き、この日は客として泊まっていた小田原市の加藤久雄さん(71)は「お客の喜ぶ顔がうれしかった」と当時を振り返り、「ここで働けたことは誇り」と大忙しだった日々を懐かしんだ。

     30年以上勤める総務支配人の東山エミさん(50)は、家族連れらの人気を集める温泉テーマパーク「ユネッサン」や天悠の開業など小涌園の歴史を見守ってきた。「ホテルがなくなるのは寂しいが、再開発には期待が高まる。ずっと携わっていきたい」と笑顔を見せた。(丹下信之)

    2018年01月11日 07時37分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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