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    インフラ整備に「百年の計」~鹿島建設

     満天の星々を背に光り輝く月を、大型の建設機械が持ち上げる。2017年1月12日の朝刊に掲載された鹿島建設の全面広告は、インパクト抜群だ。鹿島の建設技術は今、月にも届こうとしているというメッセージを込めた。

    宇宙開発に挑戦

    • 1月12日朝刊の全面広告
      1月12日朝刊の全面広告

     「次の現場は、宇宙です。」短いコピーも目を引く。夢のような話にも聞こえるが、今回の広告を担当した広報室の庄司優子さんは「実現性の高い、地に足の付いた技術なんです」と胸を張る。

     鹿島は16年から、宇宙航空研究開発機構(JAXA=ジャクサ)とともに、月や火星での宇宙基地建設に向けた共同研究を始めた。といっても、人間が宇宙に行って工事をするわけではない。建設機械を宇宙に送り、地球から遠隔操作で機械を動かし、基地をつくるという計画だ。今はまだ研究の途中だが、今世紀半ばには実現しているかもしれないという。

     この計画には「ACSEL(クワッドアクセル)」という、鹿島が開発した技術を活用する。人がタブレット端末で指示を出すだけで、ブルドーザーなど複数の建設機械を一斉に動かすことができる。ダムの工事現場にはすでに導入され、その施工精度の高さも実証済みだ。

    • #046
      #046

     人が踏み入れることができない危険な場所での作業や、将来懸念される建設現場の深刻な人手不足の解決につながるとの期待もある。この技術をさらに磨き上げ、宇宙開発に挑戦しようというのが、今回の広告のメッセージだ。

    「驚き」を入り口に

     建設会社は、ビルや道路、ダムに学校など、生活に密着したあらゆるものをつくり出す「ものづくり」の会社だ。だが、その仕事のほとんどは「BtoB(企業間取引)」のため、自動車や家電など消費者向けの商品を持つ企業に比べ、一般の人にはなじみが薄いかもしれない。このため、広告では「ビジュアルもコピーも、一目見て“あっ”と驚くようなインパクトを重視している」(広報室の小林麻子さん)という。

     特に大切にしているのは、「意外性」「先進性」「ロマン」の3つだ。今回の広告でも、鹿島と宇宙という意外な組み合わせをテーマに、鹿島の持つ技術が社会の中でどう生かされ、未来にどう貢献できるのかという思いを表現した。広告の写真も「見た人がイメージするそれぞれの宇宙」という設定で、夢やロマンを強調した。

     広告を見た読者からは、「壮大でインパクトがある」「鹿島がこういう仕事もやっていることを初めて知った」といった声があがり、評判も上々だ。

    姫路城を修理

    • 2015年4月9日朝刊の全面広告
      2015年4月9日朝刊の全面広告

     一方で、建設会社らしい広告も手掛ける。15年4月9日朝刊に掲載されたのは、世界文化遺産に登録されている国宝・姫路城だ。09年に始まった「平成の大修理」が6年の歳月を経て完了し、着工当時に小学1年生だった子供たちの巣立ちと重ね合わせた。

     鹿島が担った修復工事は、難工事とされた巨大な素屋根の建設に始まり、約7万5000枚の屋根瓦のふき替え、真っ白な漆喰(しっくい)の塗り替えなど、多くの時間と労力をかけた歴史的なプロジェクトだ。作業を多くの人に見てもらおうと、工事期間中には内部に見学スペースを設け、184万人もの人が訪れたという。新聞にも4回シリーズの全面広告を出稿し、工事の様子や修復にかける思いを伝えた。

    • 広告を担当した広報室の(右から)庄司優子さん、苅北匡吏さん、小林麻子さん
      広告を担当した広報室の(右から)庄司優子さん、苅北匡吏さん、小林麻子さん

     建設会社の仕事は、目先のスクラップ&ビルドにとどまらない。時には何世紀も前に建てられた歴史的建造物の修復を、時には100年先を見据えた宇宙開発の一端をも担う。庄司さんは「百年の計を考え、持続可能なインフラ整備を通じ、社会に貢献していきたい」と話す。鹿島が企業スローガンに掲げる「100年をつくる会社」には、そんな思いが込められている。(経済部 武石将弘)


    ◆鹿島建設
     1840年、鹿島岩吉が江戸の中橋正木町(現在の東京都中央区京橋)で創業した老舗建設会社。1947年に現在の社名になった。戦前から戦後にかけては「鉄道の鹿島」「土木の鹿島」と呼ばれ、日本の国土開発に大きく貢献。建設業界では初の技術研究所を設立するなど、国内の建設業をリードしてきた。 米国、欧州、アジア、豪州などに現地法人を持ち、広く海外でも事業を展開する。超高層ビルの免震や制震技術にも定評がある。 2016年3月期の連結売上高は1兆7427億円。従業員数は1万5810人。本社は東京都港区。ウェブサイトは こちら

    2017年03月23日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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