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    新薬で世界を変える~中外製薬の挑戦

    経済部 米澤知史

     紙面を開くと青く鮮やかな海底の風景が広がり、青いヘルメット、ウェットスーツ姿のダイバーが両手と両足を広げている。どこまで深く潜れるのか、海底を目指す挑戦を描いた。

     ヘルメット、ウェットスーツの吸い込まれるような深い青色は、「中外ブルー」と呼んでいるコーポレートカラーだ。ダイバーの呼び名は「ブルーイノベーターズ(青い革新者たち)」で、革新的な新薬の開発に挑む社員の姿を現したという。

    • (2月27日の2面見開き広告)
      (2月27日の2面見開き広告)

     2月27日の朝刊で見開き2面にわたって掲載されたこの広告は、空が舞台の昨年12月26日の広告の続編にあたる。いずれも今年2月下旬に流し始めたテレビCMの一場面を抜き出した。

    • (2016年12月26日の2面見開き広告)
      (2016年12月26日の2面見開き広告)

    大空から海底へ

    • 本社近くを走る東京都中央区のコミュニティバス「江戸バス」にも今回の広告が描かれている
      本社近くを走る東京都中央区のコミュニティバス「江戸バス」にも今回の広告が描かれている

     CMでは、全身に青をまとった人が上空5000メートルを飛ぶ飛行機から大空へ飛び出し、海に飛び込んで、さらには海底へと向かう。演じたのは、空と海でそれぞれ世界記録を作ったプロの2人だ。撮影は昨年11月に行われた。

     「空編」の撮影は米カリフォルニア州のモントレー。滑空用の特殊なスーツ「ウィングスーツ」を広げ、青空の中を3人の男が海に向かって飛んでいく。その1人は、ウィングスーツでの世界最長飛行記録を作った伊藤慎一さんだ。

    • 青いウィングスーツを着た伊藤さんら(中外製薬提供)
      青いウィングスーツを着た伊藤さんら(中外製薬提供)
    • 青いウィングスーツを着て、機内で準備する伊藤さんら(中外製薬提供)
      青いウィングスーツを着て、機内で準備する伊藤さんら(中外製薬提供)

     カメラマンを含めた4人の位置を合わせるのが難しく、2日間の撮影では、計8回以上飛行した。

    • 青いウェットスーツを着たフローラさんら(中外製薬提供)
      青いウェットスーツを着たフローラさんら(中外製薬提供)

     「海編」の舞台はカリブ海のバハマ。2004年に素潜りで水深123メートルの記録を作ったモナコ人のフリーダイバー、ピエール・フローラさんが海に潜った。

     特に難しかったのが、海へと飛び込む場面の撮影だ。大きな無数の泡を作るため、あえて波が高い場所に船を止め、撮影を繰り返した。同行した広報IR部課長の佐々木文子さんは「揺れがひどく、撮影が早く終わってほしいと思った」と笑う。

    患者や家族によりよい時間を

     中外製薬は、2014年に「創造で、想像を超える。」という企業スローガンを新たに作った。その後、新薬の開発に取り組む姿を伝える広告を作り続けている。

     今回、広告のメッセージは、「新薬が生まれる。世界が変わってゆく。」という言葉で終わる。具体的に説明したのが、その前に記された、「新薬を生み出し、待ち望んでいた多くの人々の新しい時間を生み出しつづける」という一文だ。

    • 撮影時の思い出を振り返る佐々木さん(右)と宮田さん
      撮影時の思い出を振り返る佐々木さん(右)と宮田さん

     「新しい時間」とは何か。新薬を生み出すことで、寿命を延ばすことだけではない。広報IR部グループマネジャーの宮田香絵さんは「薬を通じて、患者さんが家族や友人と楽しく過ごせる時間や生活も作り出していきたい」と説明する。

     ホームページで公開されている撮影時の映像で、ピエールさんはダイビングをする理由を「それは『挑戦』だからです」と答える。伊藤さんも「人がやったことがない、革新的なことに挑戦したい」と、今後の意気込みを語っている。

    • #047
      #047

     新薬の研究・開発現場も挑戦の繰り返しだ。新薬ができれば、人の生命を救うことができるかもしれない。そのためには、未知の領域に入り込み、革新的なアプローチを続けることが必要だ。限界やゴールを作らずに挑戦を続ける2人の姿は、世界中で多くの患者が待ち望む新薬の開発に懸ける社員の思いを表している。

    (経済部 米澤知史)


    ◆中外製薬
     医療用医薬品を作る製薬大手で、1925年に中外新薬商会として、実業家の上野十蔵が創した。2002年にスイスの製薬大手・ロシュと提携してグループ入り。04年には、薬局などで売られる大衆薬(一般用医薬品)事業を日用品大手のライオンへ譲渡している。抗がん剤が主力で、骨・関節領域にも強い。国内では、インフルエンザ治療薬「タミフル」の販売元としても知られる。2016年12月期の連結売上高は4917億円。従業員数は7245人。本社は東京都中央区。ウェブサイトは こちら

    2017年04月06日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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