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    石原氏証人喚問 無責任体制があぶり出された

     政策の決定過程が、あまりに不透明である。責任の所在が不明確な都政運営の問題点が、浮かび上がった。

     築地市場の豊洲への移転問題で、東京都議会の百条委員会が、石原慎太郎元知事の証人喚問を行った。

     石原氏は、「ピラミッドの頂点にいて、(移転を)決裁した責任は認める」と述べた。

     一方で、豊洲移転は既定路線だったことを強調し、「都庁全体の大きな流れの中で決定した」と説明した。用地買収交渉や土壌汚染対策などは、「自分が立ち入る問題ではなく、担当者に一任するしかなかった」とも釈明した。

     百条委では、複数の元都幹部が移転問題について、石原氏に節目ごとに報告していたと証言した。石原氏は「記憶にない」などと繰り返した。組織のトップの姿勢として、疑問を禁じ得ない。

     当初の交渉を一任された元副知事の浜渦武生氏も、19日の証人喚問で、東京ガスとの土壌汚染対策などの確認書の内容について、「全く知らない」と否定した。

     一体、誰が豊洲移転問題の実質的な責任を負っていたのか。

     百条委で分かったのは、担当幹部らが土壌汚染のリスクを把握しつつも、豊洲への「移転ありき」で突き進んだ実情だ。元市場長の岡田至氏は「交渉をまとめることが第一だった」と証言した。

     東京ガスに土壌汚染対策の追加負担をさせる瑕疵かし担保責任を免除した経緯など、「水面下」の交渉の実態は不透明なままだ。来月に行われる交渉役の元都幹部らの証人喚問で解明してほしい。

     豊洲市場の地下水の再調査では、環境基準の最大100倍のベンゼンが検出された。数値が急上昇した前回の調査結果を裏付けた。地下水位の管理システムが本格稼働した影響とみられる。

     豊洲市場では、地下水を飲料などに利用せず、敷地はコンクリートなどで覆われている。都の専門家会議は「地上部分は科学的に安全」という見解を示した。

     小池百合子都知事は、水質調査の結果を「重く受け止めなければならない」と語った。移転問題については「判断するのはまだ早い」との考えを示した。小池氏は、都民や市場関係者の「安心」を確保することを重要視している。

     市場問題を7月の都議選の争点とするため、移転の最終判断を引き延ばすようなら、都民や市場関係者の不信を招こう。過去の経緯と安全性の問題を区別して、速やかに方向性を示すべきだ。

    2017年03月21日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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