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    卸売市場改革 経営意識の向上が問われる

     生産者と小売店の双方にとって頼れる存在となる。新時代の卸売市場は、どうあるべきか。

     政府は、野菜や魚を扱う中央卸売市場の規制を緩和する方針だ。通常国会に卸売市場法の改正案を提出する。

     全国に64か所ある中央卸売市場は、都道府県や人口20万人以上の市だけに開設が認められている。これを民間企業にも開放する。

     販売ルートを原則、登録業者に限るといった全国一律の取引ルールは、市場が独自に決めて国の認定を得る形に改める。

     市場の経営自由度を高め、生産者や小売店のニーズに的確に応える方向性は理解できる。

     農協組織の見直しやコメの減反廃止とともに、農漁業に「経営」の視点を持ち込む農政改革の一環と言える。これを看板倒れに終わらせてはなるまい。

     改正案は、市場に参加する卸売業者に支払う手数料など、取引条件を公表することも義務づける。透明性を高め、利用者が市場を選びやすくする狙いがある。

     民間参入や、取引の透明化で市場間のサービス競争が進めば、生産者らは取引コストが低下し、収益の拡大も期待できよう。

     懸念されるのは、各市場の判断次第で、長く続けた取引慣行を事実上変えないという選択肢も残されていることだ。

     多くの市場では、個々の卸売業者が受け取る手数料を横並びにしてきた。業者間の競争が働きにくい実態がある。

     大手スーパーや一部の外食企業は、割高な卸売市場から離れつつある。このままでは、取引の減少に歯止めがかからないだろう。

     築地市場移転問題では、日本を代表する市場でさえ経営が厳しい現実を浮き彫りにした。

     取引の活性化には、市場自身が主体的に情報収集などの活動に乗り出し、業者の支援を強化する取り組みが欠かせない。

     オランダで花を扱うフローラホンド市場は、自ら海外の産地を開拓し、輸入品の品ぞろえを充実させているという。

     人口減少に伴い、国内の食品市場は縮小傾向にある。卸売市場が経営の効率性を高めるためには、近隣の市場同士が統合するといった再編も避けられまい。

     卸売市場は、産地からの直接仕入れが難しい中小の青果店や鮮魚店を支えている。一方で、取引の細い市場は運営資金を自治体の補助金に頼る構図が鮮明だ。

     財政負担を避けるためにも、市場の自助努力を促したい。

    2018年01月14日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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