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地方議会にリストラ圧力…首長・議長アンケート

 「もっと小さく、安く」。住民の多様な声を代表するはずの地方議会に、定数と報酬削減のリストラ圧力がかかっている。

 根底には自治体財政の苦境と議会不信がある。4月の統一地方選を前に、読売新聞が実施した「全国自治体首長・議長アンケート」では、首長と議会の対立に発展した例も目立つ。河村たかし・名古屋市長のように、首長が「地域政党」を率いて議会に直接的な影響力を行使しようとする手法も見られる。

 ◆各地で“河村流”◆

 「議会の定数削減は時代の流れ」。神戸市の北西部に位置する兵庫県三木市の藪本吉秀市長は、市報に度々、持論を掲載してきた。

 人口8万余の市議会の定数は20。市長は昨年1月、「定数の4減で浮いた経費を産業振興や雇用創出に充てる」と公約し、再選。同3月に定数4減案を提案したが、議会は否決した。

 すると、削減に賛同する市民団体が約2万3000人の署名を議会に提出し、市長も住民の声を背に6月、4減案を再提案した。議会は再否決したものの、代わりに2減にとどめる議員提案を成立させた。

 そこで市長は2月、自分が代表を務める地域政党を結成した。4月の統一地方選で行われる市議選に、現職と新人の計8候補を擁立する構えだ。

 議員定数を巡る対立は山口県防府市でも起き、松浦正人市長が地域政党を結成、政策の一つに定数削減を掲げ支持を訴えている。

 リストラ案に反発する議会に対抗するため、「首長新党」を組織し、議会改造を図る――。三木、防府両市長の政治行動は名古屋・河村市長が打ち出した手法に似る。一方の議会は「首長の思い通りになる議会をつくる手法」(三木市の中堅議員)と反発している。

 アンケートで「首長と議会の対立が増えた」と答えた首長は25%、議長で27%。首長と議会が議会のリストラ問題で対立するケースは、三木市や防府市だけでなく北海道森町や大津市などでも起きている。

 アンケートでは、対立するテーマには「学校の統廃合」「公立保育所の民営化」「公共施設の建設や廃止」など、住民に身近な問題もあがっている。対立自体は「首長と議会が緊張した関係で議論する二元代表制が活性化し始めている」(大森(わたる)・東大名誉教授)ともみられる。実際、「議会とのなれ合いの関係はなくしたい」(愛知県大治町長)、「安易な妥協をしない姿勢が見えてきた」(福島県金山町議長)などの意見も聞かれる。

 ◆住民投票を意識◆

 ただ、対立が激化すると、名古屋市や鹿児島県阿久根市のように、一切の歩み寄りが困難になり、政策の実現も停滞する。アンケートでそうした場合の打開策を聞くと、「対立テーマについて住民投票を行い、住民の判断を仰ぐ」が首長(44%)、議長(47%)とも最多で、「首長選を行って首長を選び直す」「議会を解散して議員を選び直す」は、首長も議長もそれぞれ計約1割止まりだった。有権者を対象にした読売新聞全国世論調査(1月)でも58%が「住民投票」を選んだ。

 これらの数字は、今後多くの自治体が政策決定の“最後の手段”を住民投票に委ねる可能性を示唆する。

 ただ、住民投票の前にやるべきことがある。岩手県知事を3期務めた増田寛也・元総務相は「民主政治の根幹は代議制を機能させること。首長と議会が住民に分かるように熟議を重ねることが重要」と指摘する。

2011年3月8日07時11分  読売新聞)


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