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    首相「おひざ元」、下関市長選で保守分裂の様相

     安倍首相の“おひざ元”の山口県下関市で5日、市長選が告示される。

     現職と新人2人の計3人が無所属での立候補を表明しているが、首相の元秘書で自民党の推薦を受ける新人の前市議・前田晋太郎氏と、元農相の林芳正・同党参院議員の支援者を主な支持基盤とする現職・中尾友昭氏を軸に、保守分裂の様相を呈している。

     「自民党は全力で支援してまいります」。そんな文言とともに、前田氏が安倍氏と握手する写真を掲載した党のチラシが、市内世帯に配られている。前田氏は「街を元気にするには国や県とのパイプが必要」と訴え、「安倍色」を前面に打ち出す。

     一方、中尾氏は「市政は国政と違う」とし、「市民党」を掲げる。政党色を出さず、幅広い支援を得たい考えだ。ただ、事務所の壁には、林後援会が寄せた「祈必勝」の文字が躍り、林氏に近い地方議員や、林氏の親族が経営する企業が中尾氏を支援する。

     安倍、林両氏はともに同市が主な地盤だ。安倍氏の父で元外相の晋太郎氏(故人)、林氏の父で元蔵相の義郎氏(同)は中選挙区時代、同じ選挙区のライバル同士だった。今は、「安倍氏は衆院」「林氏は参院」とすみ分け、国政選では互いに支援する。

     それでも、地方選になると、企業や地方議員などの間で支持が分かれるという。前回2013年の市長選でも分裂状況が見られた。安倍氏に近い市議が立候補を表明し、同党下関支部に推薦願を出したが、支部は「国政選に影響が出てはいけない」などとして推薦を見送った。選挙戦で市議は敗れた。

     今回は安倍氏が表に姿を見せ、前田氏への支援を明確にしている。

     1月、安倍氏が市内で開いた「新春の集い」では、来賓として登壇した中尾氏が「3期目も総理のご理解をいただいて頑張りたい」と述べた後、会場がざわめいた。前田氏が登場して立候補への決意を述べ、安倍氏と固く握手を交わしたからだ。

     ただ、熱気を増す前哨戦に、ベテラン市議の一人は「市長選に昔ながらの対立構図が見える状況に、嫌気がさす市民も少なくない」と漏らす。

     このほか、市長選で立候補を表明している新人の前市議・松村正剛氏は「どこのバックもない市民派」として、草の根運動を展開していく構えだ。松村氏は市議時代は保守系の会派に所属。前回選では中尾氏を支援したが、今回は政策に違いがあるとして、独自に立候補することにした。

    2017年03月04日 09時11分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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