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障害者に冷たい選挙公報、完全点訳6都県だけ

 統一地方選の13都道県知事選で、目の不自由な有権者のため、選挙公報をすべて点字に訳している自治体は6都県にとどまっていることが読売新聞のまとめでわかった。

 音声テープを作製しているのも2県だけ。

 視覚障害者団体は「投票に必要な情報が十分に得られない」などと、改善を訴えている。

 各自治体の選挙管理委員会によると、選挙公報に掲載される立候補者の氏名、略歴、公約の各情報について、原則すべて点字に訳しているのは東京、神奈川、奈良、福岡、佐賀、大分の6都県。

 東京都では今回の知事選に際し、東京ヘレン・ケラー協会(東京都新宿区)の点字出版所が点訳した候補14人の公報を4300部購入。福祉事務所や一部の投票所などに配布した。大分県は、前回知事選では氏名と略歴のみ訳したが、「情報を増やすため予算を倍増して対応した」と話す。

 ただ6都県のうち、選挙公報の点訳だけでなく、音読したテープを作製するなどの情報提供に取り組んでいるのは、神奈川、佐賀の2県のみだった。

 一方、選挙公報のうち、氏名や略歴など一部しか点訳していないのは北海道、岩手、福井、鳥取、島根、徳島の6道県。また三重県は点訳を一切行っていない。「すべて訳すと選挙期間中に間に合わない可能性がある」(岩手県)、「コストの問題などがあるが、今後の課題として検討する」(三重県)などと説明している。

 総務省は今年1月、今回の統一地方選に関して、「視覚障害者が投票しやすいよう、点字で記載した選挙公報を用意するのが望ましい」とする通知を出した。しかし、「あくまで要望で、最終的な判断は各自治体に任せている」(選挙部管理課)としている。

 国政選挙も同様に、各都道府県選管への要望にとどまっている。

 こうした状況について、障害者の参政権問題に詳しい大阪夕陽丘学園短大の川崎和代教授は「議員選と比べ知事選の立候補者は少数で、点字訳や音声テープを作るための時間的な制約は少ない。ボランティアにお願いするなど、やり方次第で可能なはず。障害者へのサービスではなく、自治体の義務という意識を持つべきだ」と指摘。

 また日本盲人会連合(東京都)は「財政的な事情などあるのかもしれないが、都道府県によって、視覚障害者が得られる情報量に差があるのはおかしい」と話す。

2007年4月4日14時37分  読売新聞)
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