【Q&A】「1票の格差」なぜ縮まらないの
生徒 選挙になると「1票の格差」が問題になりますよね。
先生 参院の選挙区によって、1票の価値に違いがあるからだよ。例えば、100万人の有権者が1人の議員を選ぶ選挙区と、20万人が1人を選ぶ選挙区とでは、同じ1票でも、重みが違う。
生徒 どのくらい差があるのですか。
先生 最大5・16倍なんだよ。人口の最も少ない鳥取と最も多い東京とを比べるとこんなに重みが違うんだ。衆院は前回の衆院選時に最大で2・15倍だった。制度が違うとはいえ、参院の格差は大きすぎるんじゃないかな。
生徒 そうですね。不公平ですよね。
先生 憲法14条1項には「すべて国民は法の下に平等」と書いてある。1票の重みに差があることは憲法違反であり、参院選は無効だと訴える裁判が過去に何度もあった。最高裁大法廷は今年1月、格差が最大5・06倍だった2001年の前回参院選を合憲と判断した。でも、合憲とした裁判官からも「次回選挙も現状のままなら、違憲と判断する余地は十分にある」との意見があった。今回の参院選で格差はさらに拡大した。将来、最高裁が違憲だとする可能性もある。
生徒 なのに、国会は何もしないの?
先生 格差を縮めようと、国会は2000年に岡山、熊本、鹿児島の3選挙区の定数を4から2に減らすことを決めた。でも、それ以上、全体の定数を減らして格差を是正するのは難しいという見方が強い。
生徒 なぜですか。
先生 参院は3年ごとに半数を改選するだろう。だからどの選挙区の定数も偶数となっている。鳥取の定数を今の2から1に減らせば、鳥取での選挙区選は6年に1回になってしまい、他県とそろわなくなる。逆に東京のような都市部の定数を増やせば、参院全体の定数が増え、「時代に逆行している」と批判されかねない。
生徒 では、どうすればいいのですか。
先生 人口の少ない県同士を1つの選挙区にする案、思い切って選挙区選をやめて比例選に1本化する案などもある。何より、参院議員が、一票の格差を深刻に受け止めて、自ら改革しないと解決できない。
(2004年7月4日 読売新聞 無断転載禁止)