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(中)ブログとの距離 模索


(上)自民党が2005年8月にブログ作者らを集めて開いた懇談会
下)日本版ボートマッチ「投票ぴったん2007」の画面と東大社会科学研究所の上神氏(右)ら

 「政府の支出を削減すべきである」「憲法を見直すべきである」

 インターネットサイトで、さまざまな設問に「賛成」「反対」「中立」「分からない」から答えを一つずつ選び、最後に、重要だと思う争点にチェックを入れる。すると、画面上に自分の意見と一致する度合いが大きい順に各政党名が並ぶ。

 このサイトは「ボートマッチ」と呼ばれる。英語のvote(投票)とmatch(適合)を合わせた造語。有権者が政策を重視して投票するのを手助けしようと、オランダの民間団体が1989年の地方議会選で実施したのが始まりだという。

 当初、アンケート用紙を使っていたが、その後、ネット上に移されたボートマッチは欧州を中心に広がり、2005年のドイツ連邦議会選での利用回数は約500万回に上った。1人1回と仮定すると、人口の約6%が利用したことになる。

 ネットは有権者と政治の「接点」を果たすようになっている。

 日本でも、東大社会科学研究所の上神(うえかみ)貴佳研究支援推進員、香川大の堤英敬・准教授らのチームが今月から、参院選向けに日本版ボートマッチ「投票ぴったん2007」を始めた。参加者に多様な争点を提示するとともに、有権者の投票行動を分析するのが狙いだ。

 「ボートマッチはゲーム感覚で自分の政治的立場が分かる。誰でも参加できるので、若者の政治参加を促すきっかけになる」と上神氏は期待する。

 政党や候補者がネットを通じて、有権者の関心を探る動きも活発になってきた。06年末の日本のインターネット人口は約8700万人。ターゲットの一つは、若い世代がよく読んでいる日記形式のホームページ「ブログ」だ。

 IT企業「テクノラティジャパン」(東京)は9日、ブログに書かれた言葉を検索するサイトに参院選特集を開設した。対象ブログは約800万で、頻繁に更新されるブログの9割を網羅しているという。

 例えば、「年金」で検索すると、「年金」という言葉が含まれているブログは、6月中旬に1日4000件弱あった。しかし、最近は6割ほどに減少している。ブログの世界では、年金記録漏れ問題は沈静化しつつあるとも言える。

 サイト運営に携わる舟橋義人氏は「ブログは普通の人が簡単に情報発信できる。ブログを調べれば、今、何に関心が持たれているのかが分かる。選挙でも、ブログは情報の宝庫として欠かせない存在になる」と指摘する。

 自民、民主両党は05年ごろから、ブログ対策に本腰を入れ始めた。ブログから若者の意向を探り、選挙戦略に活用しようというわけだ。両党とも人気ブログ作者らとの懇談会を開き、若者の志向などを聞いた。だが、最近、こうした取り組みは減っている。「ブログの影響力はあるが、これだけ増えた今、特定のブログ作者を集めれば、『情報操作』と批判されかねない」と当時、自民党でネット対策を担当した参院議員は指摘する。

 激しい主張や時には感情的な表現が目立つブログも多い。ブログとどう付き合うのか、政党はまだ測りかねている。

日本版ボートマッチ(投票マッチ)
19の質問に答えれば、自分の意見と最も近い政党がわかる!

2007年7月11日  読売新聞)
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