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ドンのおひざ元 募る危機感【島根】
竹下登・元首相が築き上げ、竹下の秘書だった青木幹雄参院議員会長が引き継いだ自民党王国・島根が揺らいでいる。 青木が深々と頭を下げた。 「島根から自民党がなくなったら大変だ。どうか、結束して頑張ってほしい」 22日、宍道湖のほとりに建つ松江市のホテル。自民党県連、県経済団体の幹部ら約30人を前に、青木は景山俊太郎への一層の支援を求めた。 「青木さんも東京ばかりいないで、業界団体に働きかけてくれ」「すでに全力を挙げている。これ以上、何をすればいいのか」 参加者からは不満の声も上がったが、青木は「皆さんがこれまでやってきたことを、繰り返し、繰り返しやって下さい」と懇願した。地元だけでなく、今や参院自民党の「ドン」となった青木のそんな振る舞いに、参加者は「鬼気迫る感じだった。あんな必死の姿、初めて見た」と目を見張った。 景山は2001年の参院選では、2位の候補に約20万票差で圧勝した。陣営からは当初、「どれだけ大差を付けて勝つかが問題だ」と余裕の声が上がり、景山自身も参院自民党の筆頭副幹事長として、他の選挙区の応援に奔走していた。 しかし、12日の公示日には、青木が「半年前までは想像もしなかった逆風選挙だ」と訴えざるを得ないほどの厳しい状況になっていた。党選対の幹部は「年金記録漏れ問題などの逆風だけでなく、表面上は見えない地殻変動が進んでいるからだ」と「王国」の弱体化を指摘する。 1997年に4万5000人弱だった島根県の自民党員数は昨年、約2万人に半減した。特定郵便局長OBなどがつくる「大樹」が、郵政民営化に反対して大量離党したのが響いた。建設業界の景山支援の動きも鈍い。公共事業削減を進めた小泉前首相を支えた青木、景山への不満がくすぶっているためだ。 また、県内の市町村議員の定数は市町村合併のため、03年末の892から昨年末には474に減った。地方議員を選挙運動の核とする傾向が強い自民党には、大きな痛手だ。 選挙区に張り付くようになった景山は25日、松江市での街頭演説で、しわだらけのシャツに汗をにじませて「島根に生まれ、島根に育ち、島根の土となる。私をもう一度使ってほしい」と訴えた。師と仰ぐ竹下が衆院選初挑戦の第一声で使った言葉を必死に繰り返す姿に、危機感がにじむ。 対する亀井亜紀子は、揺らぐ「自民王国」の足元を懸命に攻め立てている。 亀井は、郵政民営化に反対して自民党を離党した国民新党の亀井久興幹事長の長女だ。今回も民営化見直しを掲げ、大樹の支援を受けている。 さらに、建設業界と自民党とのすきま風を意識してか、小泉改革を批判したうえで、「県の東西をつなげる山陰自動車道の全線開通」などの大型公共事業を主張している。 立候補表明は遅れた亀井だが、県西部を治めた旧津和野藩主、亀井家の子孫ということもあり、知名度は高まりつつある。シンボルマークの「笑顔の太陽」は、「景山の『かげ』と対比させる狙い」(陣営幹部)で選んだという。 青木の威信をかけた選挙戦。自民党にとってその結果は、「1議席」という数字以上の重みを持つことになる。(敬称略) (2007年7月28日 読売新聞)
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選挙区 (数字は定数)
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