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「眠れる20代」掘り起こせ…低投票率打開へあの手この手

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中高生らに参院選の模擬投票を呼びかける中央大生ら(京王多摩センター駅前で)

 過去3回の参院選(2004、01、1998年)で、20歳代の投票率(抽出調査)はいずれも30%台。全世代の中で最も低い。95年にいたっては、25・15%まで落ち込んでいた。

 そんな状況を改めようと、模擬投票などを行って若者に投票を呼びかける学生らのネットワークが広がりつつある。「眠れる票田」を掘り起こそうと政党側も知恵を絞る。「日本の若者は政治に無関心」。そんなレッテルを今回は返上できるのか。

 「この候補、知ってる」。今月14、15日、東京都多摩市の京王多摩センター駅前。中高生らが東京、神奈川選挙区の候補者の顔写真と経歴を載せた新聞記事を指さしては、候補者名と政党名を用紙に書き込み、“投票箱”に入れていった。

 選挙権がない20歳未満の若者に模擬投票を呼びかけたのは、中央大3年の笠原真由子さん(21)ら同大有志約10人。2日間で約200人が投票した。笠原さんは「20歳になり、『投票に行こう』と突然言われても、どうしていいか分からない人も多い。模擬投票の経験が選挙に行くきっかけになれば」と期待する。

 笠原さんのグループも加わる大学生らの団体「模擬選挙推進ネットワーク」は、今参院選で、街頭のほか全国約30の中学、高校で模擬投票を実施。インターネットのホームページでも投票を受け付けている。

 支持者からの陳情や役所との折衝の場に同席するなど、国会議員事務所でのインターンシップ(就業体験)を通して政治を身近に感じてもらおうと活動するのは、NPO法人「ドットジェイピー」(本部・東京)。98年の活動開始以来、体験者は約5400人。「体験前に『必ず選挙に行く』と答えた人は4割だったが、2か月間の体験後には99%になる」(佐藤大吾理事長)という。

 実際に体験した上智大3年の矢嶋宏行さん(20)は「一生懸命な姿を間近で見て、政治家への印象が良くなった。真剣に考え、1票を投じたいと思うようになった」と話す。

 政党側は若者たちをどう見ているのか。自民党政調会事務局の担当者は「若者票の掘り起こしは選挙の度に挙がる重要な課題だが、実効性のある方法はなかなか見つからない」と打ち明け、「若者は政治に冷めていて、働きかけてもうまくいかない」とも。民主党広報委員会では「理屈だけでは若者の理解は得られない。コミック誌に政策を訴える漫画を載せたり、駅などに置かれるフリーペーパーに広告を出したりしている」と説明する。共産党はホームページに若者向けのコーナーを設けている。

 一方、明治学院大の川上和久教授(政治心理学)は「郵政民営化が問われた05年の衆院選で若い年代の投票率が上がったように、わかりやすいメッセージが出されれば、若者は投票に行く。若者の投票率が低いのは、政治側が若者を引きつける努力を怠っているからだ」と話している。

 ◆若者に投票を呼びかける活動に加わっている学生たちの意見◆ 

 ▽二松学舎大3年・堀雄介さん(20) 「若年層の投票率が上がれば、政治家や政党に対し、『若者が見ている』という緊張感を与えられると思うので、必ず投票に行く」

 ▽中央大4年・吉野壮文(まさふみ)さん(23) 「年金だけでなく、高齢者や障害者の福祉、憲法改正などの重要な問題があるのに、各政党は力を入れて訴えていないように感じる」

 ▽法政大4年・兒玉(こだま)知佳さん(22) 「若者の多くは今の生活にあまり不満や不自由はなく、危機感を持っていない。政治はテレビの中の世界と思っている人が多い」

 ▽専門学校生・石川祐子さん(23) 「思い切って、投票を一度義務づけてはどうか。選挙を経験すれば、政治に目を向けるきっかけになるかもしれない」

 ▽早稲田大2年・山崎武昭さん(22) 「学校教育で政治について知識しか教わらないのが問題。どういう基準で投票したらいいかなど、選挙や政治について実践的なことを教えてほしい」

2007年7月24日10時17分  読売新聞)
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