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    選挙の争点や各党の動きをお伝えします。
    争点

    〈上〉長期政権にらみ決断

     安倍首相が、消費税率10%への引き上げを先送りし、衆院解散に踏み切る考えを表明した。首相が衆院議員任期を2年余り残して解散を決断した背景と、与野党の動きを探る。

     「消費税引き上げを18か月延期すること、私たちが進めてきた経済政策、成長戦略をさらに前に進めていくべきかどうかについて、国民の判断を仰ぎたい」

     18日夜に首相官邸で行われた記者会見で、首相は何度も手を振り上げ、解散の意義を訴えた。

     「突然の解散」にも見えるが、実際は違う。首相は夏頃から、解散のタイミングを水面下で探っていた。来年9月の自民党総裁選後の解散、2016年の衆参ダブル選挙――。様々な案が浮上した中で、選んだのが年内解散だった。

     年明け以降、原発再稼働、安全保障法制の整備など政権にとって「体力」が必要なテーマが待ち構える。女性2閣僚の辞任にもかかわらず、内閣支持率は安定している。野党の選挙準備も整っていない。ならば、早期解散で勝利した勢いで政策課題に臨もう、というわけだ。

     年明けの通常国会冒頭解散も最後まで選択肢にあったが、「年明けだと4月の統一地方選と近すぎる」との公明党の主張を受け入れた。9日からの外遊出発前には、一部の与党幹部にだけ、年内解散に踏み切る意向を告げた。

     「参考にしたのは中曽根内閣の『死んだふり解散』だ」。首相周辺は明かす。中曽根首相は1986年6月2日に解散し、野党の裏をかいて衆参ダブル選に踏み切って大勝した。中曽根氏は解散直前の記者会見でも「今のところ、解散は考えていないというこれまでの私の発言を変える段階にはない」としらを切り通した。

     安倍首相は16日、外遊先の豪州で同行記者団と懇談し、「私自身は解散に言及したことは一度もありません。この言い方をいま変える段階にはない」と述べ、中曽根氏の発言を引用した。中曽根氏はダブル選勝利で党内基盤を固め、総裁任期の1年延長に成功した。次期衆院選に勝ち、来年9月の総裁選を乗り切れば、首相も長期政権が現実味を帯びる。

     安倍ペースと見える解散劇だが、誤算も生じている。17日発表された7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は2四半期連続のマイナスで、与党内には「厳しい数字」(自民党の谷垣幹事長)に動揺が広がる。野党は好機と見て、「アベノミクスは失敗だ」と批判を強めている。

     「消費増税を1年半先送りすれば、3回賃上げできる。アベノミクスの恩恵を受ければ、増税できる環境は整う」

     首相は周囲にこう語る。次期衆院選では、まさにアベノミクスの是非が問われることになる。

    2014年11月19日 14時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

    党派別立候補者数

        小選
    挙区
    比例 重複 公示前
    勢力
    うち
    女性
    自民 352 42 283 341 272 293
    民主 198 29 178 197 177 62
    維新 84 9 77 83 76 42
    公明 51 3 9 42 0 31
    次世代 48 3 39 45 36 19
    共産 315 79 292 42 19 8
    生活 20 3 13 19 12 5
    社民 25 1 18 24 17 2
    改革 4 1 0 4 0 0
    諸派 49 22 5 44 - 0
    無所属 45 6 45 - - 17
    1191 198 959 841 609 479

    欠員1

    「改革」=新党改革。諸派は幸福実現党など。

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