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    選挙の争点や各党の動きをお伝えします。
    くらしの課題

    〈1〉女性活躍 管理職育つ環境整備

    法政大教授・武石恵美子さん

    •  たけいし・えみこ 専門は女性労働論。筑波大卒業後、労働省(現・厚生労働省)、ニッセイ基礎研究所などを経て、2007年から現職。17年4月、法政大キャリアデザイン学部長に就任。著書に「キャリア開発論」など。
       たけいし・えみこ 専門は女性労働論。筑波大卒業後、労働省(現・厚生労働省)、ニッセイ基礎研究所などを経て、2007年から現職。17年4月、法政大キャリアデザイン学部長に就任。著書に「キャリア開発論」など。
     衆院が解散し、まもなく選挙戦が始まる。働き方や子育てなど、私たちの暮らしに関わる課題に、政治はどう取り組んできたのか。そして、これからの政治に期待することは――。各分野の専門家に聞いた。

     アベノミクスの成長戦略に女性活躍が位置付けられたことは、企業の取り組みを促すきっかけになった。昨年施行された女性活躍推進法で、女性登用に関する数値目標などの策定や公表を義務付けられたことで、初めて自社の現状を認識した企業もあるだろう。

     1986年施行の男女雇用機会均等法では男女平等が旗印となったが、総合職は男性、一般職は女性と、実質的には男女別に雇用が管理されてきた。その後、出産しても働き続ける女性が増え、女性の活躍に本気で取り組む状況になってきた。

     男性中心の職場で、育児中の女性が管理職になったり、営業に加わったり。戸惑いもあるだろうが、深刻な人材不足の中で、「会社の構造自体を変えないと生き残れない」という危機感が強まったのは大きな変化だ。

     こうした状況下で、政府は共働きが前提の仕組みを作り、まずは税制改革に取り組むべきだ。昨年、配偶者控除の廃止が見送られた。夫の所得から配偶者控除として38万円を差し引ける妻の年収要件が来年から原則150万円まで広がるが、この上限を意識して働く傾向は続くだろう。共働き社会では、男女ともに働く意欲を促すことが必要。国民の痛みを伴うことでも、やるべきことは実行すべきだ。

    取り組み根付かせ「2030年に30%」

     政府は、あらゆる分野で指導的地位に女性が占める割合を2020年までに30%程度にする目標を掲げる。数値目標は達成自体を目的化するのではなく、政策の効果を測る指標として活用すべきだ。採用や配置の見直しなどにより、採用時の女性比率を落とさず、正当な評価に基づいて女性の役職者登用を進めた結果、30%になるというなら分かる。「他社が30%だから我が社も30%に」などといった、根拠のない目標設定は、むしろ弊害が大きい。

     管理職はすぐには増やせない。「『女性活躍』だから、あなたも管理職」と突然言われても、しっかり育成されていないと戸惑うだけ。周囲からの風当たりも強くなる。丁寧な環境整備をしないと、女性活躍の取り組みは根付かない。採用時から女性の配置、仕事の与え方などを考慮し、時間をかけて育成することが大切。政府はこうした企業の取り組みを、積極的に後押しする必要がある。

     管理職は一般的に残業が多いが、女性管理職の増加とともに働き方も変えるべきだ。育児などで時間の制約がある女性管理職がいると、職場全体の働き方が効率化することも多い。政府が目標とする「2020年までに30%」の達成は難しいとしても、2030年には30%に達していてほしい。

    (聞き手・遠藤富美子)

    日本は13%

     日本は欧米の半分以下 働く人全体に占める女性の割合は、日本は欧米より多少低いものの同じ40%台。一方、管理職に占める女性の割合は、日本は13%と、米国(44%)やスウェーデン(40%)、ドイツ(29%)などの半分にも満たない。

     その要因を、武石さんは「男性中心の長期継続雇用という日本特有の仕組みの中で、出産や育児が女性のキャリア形成を阻害してきた」とみる。ただ、「人口や産業構造が変化する中で、日本の雇用システムも変わりつつある」とも指摘する。

    2017年10月11日 19時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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    社民 21 4 19 21 19 2
    こころ 2 1 0 2 0 0
    諸派 91 31 44 47 0 0
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    希望=希望の党、立憲民=立憲民主党、維新=日本維新の会、こころ=日本のこころ