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(2)政治主導 不安な船出

 民主党は今後、官僚との関係をどう築くつもりなのか。民主党の動向に最も神経をとがらせているのが官僚自身だ。

 民主党は衆院選政権公約(マニフェスト)で「政治家主導の政治」を掲げた。政策や予算の優先順位を官僚任せにせず、国民の目線で考えるといううたい文句だ。鳩山氏は衆院選勝利を受けた8月31日未明の記者会見で「脱官僚というのは正確ではない。脱官僚依存と言うべきだ」と説明した。

 その推進役となるのが、首相直属の新組織「国家戦略局」だ。従来の党の政策にはなかったが、鳩山氏が5月の代表選公約で掲げた。

 国家ビジョンや予算の骨格を策定するというが、その具体像は依然明らかではない。

 典型例は、国家戦略局のスタッフに官僚を入れるかどうかだ。

 政権公約では「官民の優秀な人材を結集」と明記しており、党内では「各省から民主党の理念、政策に共鳴する官僚を集める」という構想が持ち上がっている。しかし、鳩山氏に近いベテラン議員は「官僚は入れない。予算の骨格を作るにしても、財務官僚など入れる必要はない。財務省に指示すればいいだけだ」と語る。

 権限も不明確だ。

 鳩山氏は衆院選前、「力、権限を与えて、その結論が最終的な意思決定になっていけるような、閣議に匹敵するもの」と説明した。

 民主党は、国会で法案を通すには時間がかかるため、政令を根拠に「国家戦略室」としてスタートさせる方針だが、法律に明記しなければ権限が不明確になるとの指摘が強い。

 大蔵省OBの藤井裕久最高顧問は31日、国家戦略室のスタッフが各省を指示できるかどうかテレビ番組で問われ、「人の問題だ。国家戦略室に入る人は、各大臣に指示権を持つべきだ。本当の指示権を持たせるには法律の制定が必要だが、実質上、指示できる人をそこに置く」と語った。

 自民党政権と長く付き合ってきたある省の幹部はこう懸念する。

 「権限が不明確な議員が各省に様々な指示をして、予算編成ができるのか。表では政治主導と言いながら、結局は、霞が関の利害調整にたけた財務省が力を持ちかねない」

2009年9月2日  読売新聞)
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