社会保障改革も焦点、自民・民主ともアピール腐心
衆院選では、各党が政権公約(マニフェスト)に盛り込む社会保障制度改革案への評価が、焦点の一つだ。
自民党は最近の国政選挙で社会保障が「鬼門」となって敗北しており、その悪夢の払拭に懸命だ。一方、民主党が発表したマニフェストにも「具体像が不明確」との批判が出ている。社会保障は有権者が最も重視する政策とされるだけに、両党ともアピールに腐心することになりそうだ。
自民党は29日、党本部で公約作成委員会(委員長・細田幹事長)などの会合を開き、政権公約に盛り込む社会保障制度改革案も大筋で了承した。年金記録漏れ問題については2010年末をめどに解決するとし、10年1月に発足する日本年金機構で「迅速な救済を行う」と強調した。後期高齢者医療制度の抜本的見直しも実施するとした。
自民党は07年の参院選で年金記録漏れ問題が逆風となって大敗。08年の衆院山口2区補欠選挙も、後期高齢者医療制度への批判が直撃して敗れた。こうした経緯を踏まえ、同党には今回の政権公約で信頼回復を図りたいとの思惑がある。
これに対し、民主党は年金記録漏れ問題などへの批判を再び喚起し、自民党を追い込みたい考えだ。鳩山代表は29日、熊本市内での街頭演説で、同問題について「自民党は(07年)参院選の時も同じようなことを言ったが、すでに2年たっても何も解決してこなかった」と厳しく批判した。
攻勢を仕掛ける民主党だが、同党のマニフェストには与党にとって攻撃材料となりそうな点も見受けられる。年金制度改革で、被用者年金に自営業者の国民年金も含めた公的年金の一元化を掲げたが、自営業者の所得を正確につかむのは困難で、必要な財源も明らかにしていない。後期高齢者医療制度の廃止についても党内で「制度がすでに軌道に乗り、廃止は難しい」との声もあがっている。
(2009年7月30日00時35分 読売新聞)