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小泉さん「よほどのことない限り政権交代」

応援演説をする小泉元首相(19日夜、さいたま市で)=三輪洋子撮影

 「郵政選挙」と呼ばれる2005年の前回衆院選で、自民党に296議席という歴史的勝利をもたらした小泉元首相。4年前の「主役」は19日夜、さいたま市のホテルにいた。

 同党候補の応援に駆けつけた小泉氏は、1000人を超す聴衆を前に、「いやあすごい人ですね。総理の時より多い」とにこやかに切り出し、笑いを誘った。

 ◆さばさば…自民に悲観的見通し◆

 今回、衆院議員を引退したからか、「よほどのことがない限り、政権交代は実現する可能性がある。たまには野党になるのも悪くない」と、自民党候補の応援演説とは思えない悲観的な見通しをさばさばと語った。一方で、「批判ばかりしていないで、与党の苦しさを味わってくれと思っている。『(日本郵政の保養宿泊施設の)かんぽの宿は重要で、民間にやらせないでいい』と言った人たちに無駄を省くなんてできるわけがない」と自らが進めた規制緩和や歳出削減の「構造改革」の意義を強調しつつ、民主党を批判した。

 小泉氏は前回、「郵政民営化は構造改革の本丸だ」と訴えた。小泉氏を一目見ようと全国の街頭には人があふれ、自民党は圧勝した。

 それから4年。構造改革の「負の遺産」とも言える都市と地方の格差、所得の格差、医療の崩壊にどう対応するかが、今回の衆院選で問われている。

 野党は、「負の遺産」を徹底して与党攻撃の材料とする戦術をとっている。

 民主党の菅代表代行はこの日、小泉氏の側近だった中川秀直・元自民党幹事長のおひざ元、広島県東広島市に乗り込み、「資本主義の暴走を許す小泉改革路線は大きな間違いだった」と声を張り上げた。国民新党の綿貫代表も新潟県柏崎市で、「小泉さんのマニフェストが実行された結果、バラ色の花が咲くどころか、競争至上主義、泥沼の日本に変えられた」と指摘した。

 ◆「もう評論家だな」…自民でも進む小泉離れ◆

 自民党でも「小泉離れ」が進んでいる。政権公約に「近年の行き過ぎた市場原理主義と決別する」と明記し、小泉改革路線からの転換を打ち出した。

 前回、小泉旋風の中で初当選を果たした「小泉チルドレン」83人のうち、今回も自民党から出馬するのは73人。多くは地盤が弱く、苦しい戦いとなっている。

 中には、「小泉改革は誤りだった」と、小泉氏と距離を置く候補もいる。後継として次男を出馬させたことへの批判もくすぶる。

 “神通力”を失ったように見える小泉氏を、自民党のベテランはこう評した。

 「もう評論家だな」

2009年8月20日01時23分  読売新聞)
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