在外投票登録13%、小選挙区適用も煩雑?
海外に住む邦人が投票できる「在外投票」が、今回の衆院選から小選挙区にも適用されている。
投票は19日から始まっているが、投票の前提となる登録を済ませた人は、推定有権者数の13%程度にとどまっている。
手続きが煩雑で時間がかかることなどが影響しているとみられ、在外邦人の選挙権獲得に努力した人たちから「せっかく盛り上がっている選挙なのに」と残念がる声が出ている。
外務省などによると、登録を済ませた有権者は公示前日の17日現在約10万8400人で、海外の推定有権者数約81万4000人(2007年10月現在)の13%程度。選挙区選での投票が可能になった2007年参院選も約13%だった。
登録するには本人確認のため、本人か家族が総領事館などの窓口に行く必要がある。さらに、外務省経由で申請を受ける国内の自治体が二重申請がないかなどを調べるため、終了までに2〜3か月かかる。先月21日の解散直後に登録を申し出ても、今回の衆院選の投票には間に合わないという。
同省では、総領事館職員らが管内地域に出向いて登録を受け付ける「出張登録」を行うなどしたが、期待したほど効果はなかった。担当者は「関心が高まっている選挙。登録率は上がると思っていた」と残念そうだ。
今年4月まで米国で28年間暮らし、在外投票への参加を呼び掛ける「海外有権者ネットワーク日本」代表の若尾龍彦さん(68)は「カリフォルニア州は日本より面積が広いのに、登録できるのはロサンゼルスとサンフランシスコの総領事館だけ。制度が不親切だ」と指摘する。
オーストラリアで19日朝、シドニー総領事館の投票所に一番乗りした保坂佳秀さん(76)も在外投票権を求める運動にかかわってきた。保坂さんは「ようやく小選挙区の投票も可能になったことはうれしいが、海外の日本人がスムーズに投票できるようになるにはまだ時間がかかりそうだ」と語っていた。(社会部 中村隆、シドニー支局 岡崎哲)
(2009年8月21日13時44分 読売新聞)