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年金機構・アニメ殿堂…民主「見直す」、省庁「困った」

 衆院選の投開票が30日に迫り、新聞各社の世論調査が「民主党勝利」を予測する中、来年度予算の編成にあたっている国の各省庁は、民主党が「中止」や「見直し」を訴える事業や施策を継続すべきかどうか見極めに頭を痛めている。

 「もっと早く選挙をやってほしかった」「なんとか民主党を説得するしかない」……。投開票翌日の31日には概算要求を控え、霞が関には困惑が広がっている。

 年金記録の改ざんなどの不祥事が相次ぎ、来年1月に「日本年金機構」に業務を引き継ぐ社会保険庁。すでに民間から正職員1078人の採用を内定し、9月上旬には1400人の有期雇用職員を採用する面接も予定されている。システムの開発にも、今年度14億円の予算を計上して業務委託し、都道府県にある社会保険事務局の引っ越しや看板の掛け替えの準備も進んでいる。

 これに対し、民主党が今回の衆院選で打ち出したのは、国税庁と統合して「歳入庁」にする構想。衆院選で「民主勝利」という見方が強まる中、「本当に採用されるのか」という内定者からの問い合わせが続々と寄せられており、社保庁幹部は「ゴーなのかストップなのか。はっきりさせてほしい」といらだちながら、「もっと早く選挙をやってほしかった」と本音も漏らした。

 民主党が「アニメの殿堂」と批判する「国立メディア芸術総合センター」を巡っては、今月26日、基本計画をまとめた設立準備委員会の委員が記者会見に臨んだ。

 「5年はかかる」(塩谷文科相)と言われていた同センターの建設に、117億円が計上されたのは今年5月の補正予算。記者会見は、同センターの意義や必要性を訴えることが目的で、文化庁の担当課長が、準備委員会の座長を務める浜野保樹・東大教授に「記者会見という方法があります」と提案したことがきっかけだった。この課長は「必要性をきちんと説明すれば民主党にも分かってもらえるのではないか」と語る。

 国土交通省に対しても、民主党は、八ッ場(やんば)ダム(群馬県)の建設中止などを求めている。それでも来年度予算の概算要求では、同ダムの6年後の完成を目指して予算化される見通し。ある幹部は「政権が代わってないのに、民主党の公約を念頭に概算要求するのもおかしいですから。でも新しい大臣が中止と言うなら従うしかない」と苦しげな表情を見せた。

 9月1日に発足する消費者庁などの幹部人事を巡っても、内田俊一・元内閣府次官を初代長官とする人事などが、同日付で麻生首相から発令される。この人事案には民主党が「官僚主導」と反発して見直すことを表明しているが、発足準備を進める内閣府の幹部は「長官も身分は一般職の公務員。簡単に免職できるのだろうか」と困惑を隠せずにいる。

2009年8月29日08時20分  読売新聞)
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