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(8)少子化

出生率上昇答え示せず

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自民 「育児の社会化」明記 民主 「子ども手当」を創設

 合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数の平均)は2004年、過去最低の1・29に落ち込んだ。現在の人口規模を維持できるとされる2・07を31年連続で下回っている。出生率の低下が続けば、将来の働き手や、年金など社会保障制度の支え手、納税者となる世代が減少し、日本は徐々に活力を失う。

 こうした危機感を背景に、各党は今回の政権公約(マニフェスト)などで少子化対策に力を入れている。

 社会保障給付費のうち少子化対策関係費は約3兆円で、高齢者関係費の5・4%にすぎない。20〜40歳代の子育て世代には無党派層が多く、この世代の支持拡大を図る狙いもある。

 このため、各党の政策は、子育て家庭に支給する手当の多寡を競う「ばらまき型」の側面も否めない。

 公明党は、児童手当(第1子、第2子に月5000円など)の支給対象を現在の「小学3年生まで」から、2006年度に「小学6年生まで」に拡大するとしている。その後、「中学3年生まで」に引き上げ、支給額の倍増も掲げた。

 民主党は、所得水準に関係なく15歳まで支給する月額1万6000円の「子ども手当」の創設を掲げた。必要な財源3兆円は、歳出削減と配偶者控除や扶養控除などの廃止で確保する。現在の税制では高校、大学生のいる家庭の税負担を軽くする控除制度があるのに対し、民主党案では高校入学と同時に年間約20万円の子ども手当の支給が打ち切られるため、負担感は増す。

 「子ども手当」は社民党も打ち出している。

 自民党は、政権公約に「社会全体で負担を分かち合う考え方を念頭に子育て期の経済的負担を軽減する」と記述した。党内には「育児は家庭の問題」という家族観も根強いが、今回初めて「育児の社会化」との考えを明確にした。また、児童手当制度や、扶養控除など育児に関する税制を一体的に検討し直すとした。ただ、個別の数値目標はなく、具体性は乏しい。

 乳幼児の医療費の窓口負担軽減は、民主、公明、共産、社民、新党日本の各党が訴える。医療費全体は年1兆円規模で増え続けており、負担軽減の実現には別の分野での医療費抑制策が不可欠となる。

 各党の主張が似ているのは、少子化対策に特効薬がないことの裏返しでもある。出生率をいかに、どこまで上昇させるのか、について、明確な答えを示せている党はない。

 千葉大の広井良典教授は「少子化の原因は将来の安心と希望を見いだせないことにある。数字ばかりが前面に出て、社会保障全体の将来展望、労働時間も含めた働き方、地域、社会のあり方など、理念、哲学の議論が後回しになっている」と指摘している。(おわり)

 この連載は、吉山一輝、塩谷裕一、古川肇、川上修、渡辺達也、大田健吾、中山詳三、中島健太郎が担当しました。

2005年9月8日  読売新聞)
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