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(下)民主「強い」指導者出るか敗軍の将となった民主党の岡田代表は、脱力感にとらわれている。 「自民党が擁立した『刺客』組は2、3万票しかとれないと思っていた。あそこまで国民が熱狂するとは想像もできなかった」 自民党分裂の衆院選は、政権交代の絶好のチャンスだった。過去最多の候補者をそろえ、自信作の政権公約(マニフェスト)も用意した。だが、ふたを開ければ、民主党の「独り負け」だった。 衆院宮城5区で自民党候補を振り切り、4選を果たした安住淳氏も驚いた。 「何とか当選できたが、東京に来てみると、民主党は一面焼け野原のような状態だ」 党首の魅力に左右される小選挙区制での衆院選。自民党候補には「小泉人気」という強い後押しがあった。一方、民主党候補にはそれがなく、民主党支持率が低迷する中、街頭演説で「『岡田政権』を実現しよう」と口にする候補はほとんどいなかった。 民主党の敗色が濃くなった選挙最終盤、若手リーダー格の一人である前原誠司氏は「小泉さんみたいなリーダーが求められているのに、岡田さんは、党が割れても、自分の考えを押し通すだけの覚悟がない」と周囲に漏らした。強いリーダーが必要だという思いが前原氏を代表選出馬に駆り立てた面もある。 民主党代表は、鳩山―菅―岡田と、ここ3代続けて任期途中で辞任を余儀なくされた。リーダーシップが発揮できないことと、党内に党首を支えようという気持ちがないことは裏表の関係にある。 強い指導力によってあつれきが生じることを避ければ、基本政策もまとまらない。憲法問題では、護憲、改憲両派が混在し、議論が深まらない。 郵政民営化問題でも、労組系の議員らに配慮せざるを得なかった。 3月下旬、岡田氏は、五十嵐文彦「次の内閣」総務担当らに「郵政公社の非公務員化や、将来の民営化の方向性は打ち出した方がいい」と指示した。だが、返ってきたのは「民主党は『あらゆる選択肢を検討する』としているのだから、そんな必要はない」というにべもない回答だった。 岡田氏は、公示前の8月28日の遊説で、将来の郵便貯金と簡易保険について、「民営化か廃止」と踏み込んだが、有権者にアピールしなかった。 翌29日の6党首公開討論会で、首相と岡田氏の論戦を横で聞いていた志位共産党委員長には、選挙結果が予測できた。「小泉さんの圧勝だ。小泉さんの短い質問に、岡田さんはパッと答えられなかった」 民主党は新たな代表選びを通じ、再生の手がかりをつかむことができるのか。党の足腰を鍛え、逆風にうち勝つ支持基盤をどう作るのか。課題は少なくない。 2000年と03年の衆院選で躍進した民主党は「次は政権を獲得する」との期待感で結束してきた。だが、今回の惨敗で、党内に大きなヒビが入った。 今回、落選し、巻き返しを誓う五十嵐氏は、一方で不安も覚える。 「あと4年間、衆院選はないだろう。それまで党は持つのだろうか」(政治部 田中隆之) (2005年9月15日 読売新聞)
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