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    音楽

    指揮者のリッカルド・ムーティ、3月に再来日

    「文化守る気概」を若手へ

    • シカゴ響の東京2公演では、マーラーやヒンデミット、チャイコフスキー作品などを披露。金管の響きがさく裂し、弦の繊細さでも酔わせた(1月18日、東京文化会館)   写真・長谷川清徳
      シカゴ響の東京2公演では、マーラーやヒンデミット、チャイコフスキー作品などを披露。金管の響きがさく裂し、弦の繊細さでも酔わせた(1月18日、東京文化会館)   写真・長谷川清徳

     シカゴ交響楽団を率いた1月の東京公演で、圧巻の演奏を披露したリッカルド・ムーティ。厳格な人柄で知られるが、現状を憂う音楽界の改革には熱い情熱がたぎる。

     3月にも「東京・春・音楽祭」で再来日し、日伊の若手混成オーケストラを指揮する。生粋のイタリア人マエストロ(巨匠)らしく、得意のヴェルディ歌劇などを演奏する。(岩城択)


     2010年秋、輝かしいブラス(金管楽器)演奏で名高いシカゴ響の音楽監督に就任した。

     「楽団員との関係は、魔法のようなもの。ブラスはさらに素晴らしくなり、弦など他の楽器群も大きく成長した。音量の強さを失わず、イタリア的な歌心を吹き込めた」とほおを緩める。「バランスを重視し、自分の音に対する概念とフレーズ作りを楽団員と共有できた」からだという。亡きピエール・ブーレーズから聞いた言葉を感慨深げに話す。「このオーケストラは、思い通りになる」

     ある楽団員に話を聞くと、柔和で冗談も言うらしい。

     「そうだよ。聴衆は、指揮の時の厳しい顔しか知らないから意外かも。楽しんで振る指揮者もいるが、私は絶対笑わない。仕事の要求度も高い。南イタリアで受けた教育は日本のように非常に厳しかったからね。でも、独裁者ではないよ」

     3月16、17日には、日伊国交樹立150周年を記念した公演で、心血を注ぐ「ケルビーニ管弦楽団」と演奏する。日本の俊英も多数参加し、オーケストラを特別編成する(合唱などあり)。曲目は、ヴェルディの「ナブッコ」「アッティラ」「マクベス」、貴重な演奏機会となるボイト「メフィストフェレ」ほかで、「心が一緒に振動する記念すべき演奏会になる。待ち遠しい」

     ケルビーニ管は、自らが04年に創設した。伊全土から30歳以下の奏者が集まる。「音楽院では学べないことを私の経験から教える。養成機関であると同時に、人間形成の面でもハーモニー(調和)を学ぶ場だ」

     伊政府の文化予算削減に抗議するなど、マエストロの気概を常に抱く。「文化の重要性を国が信じるかどうかの問題だ。文化は金をもうけるために生まれたわけではないが、文化を上手に使って国が豊かになることは出来る。文化のため私は戦う。若い人にそれをたたき込むのは一番大事だ」

     公演は16日午後7時・東京文化会館(上野)、17日同・東京芸術劇場(池袋)。(電)03・3322・9966。

    2016年02月23日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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