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    インタビュー

    「ルーム」のブリー・ラーソン&ジェイコブ・トレンブレイ来日

    母子役、温かな絆

    • トレンブレイ(左)は脱出場面も見事に演じた。ラーソン(右)は「私たちはアクション映画でコンビを組んでもかなりいけると思う」と語る=飯島啓太撮影
      トレンブレイ(左)は脱出場面も見事に演じた。ラーソン(右)は「私たちはアクション映画でコンビを組んでもかなりいけると思う」と語る=飯島啓太撮影

     閉ざされた部屋から、広い世界へ。ある母子の脱出劇を描いた「ルーム」(レニー・アブラハムソン監督)が8日から公開される。母役で米アカデミー賞主演女優賞に輝いたブリー・ラーソン、26歳と、息子役のジェイコブ・トレンブレイ、9歳。感動的な名演を見せた2人が先月下旬、そろって来日した。(恩田泰子)


     ある部屋に監禁された若いママ、ジョイと、その中で生まれ育った5歳の息子、ジャック。エマ・ドナヒューの小説「部屋」を基に描かれるのは、大きな困難を乗り越えて“本当の世界”をめざす母子の物語。

     本作で、アカデミー賞を含め、数々の主要映画賞で女優賞を受賞したラーソンは、「私の演技の半分は、ジェイコブのおかげ。私たちは互いに支え合ってきた」と語る。トレンブレイは「あなたが受賞したんだよ」と言いながら、「お手柄はみんな僕、ということにしてもいいけれど」とちゃめっ気を見せる。

     撮影前は面識のなかった2人。「でも、(作品のためにも)絶対仲良くならなくてはいけなかった」というトレンブレイの言葉にはプロ意識がのぞく。5歳のころから映画やテレビのオーディションに参加しており、撮影開始時は8歳。一方、ラーソンも6歳で演技を始めた。「当時の私は、自分の意志で演技を始め、いい俳優になりたいと願っていたけれど、ジェイコブの演技を見て、彼も同じだとわかった。映画と素顔が全然違うもの」という。

     劇中の母子は広い世界へと飛び出すが、その点は、この作品で飛躍した2人にも重なる。「撮影中は、迷うこともあったけれど、そういう時こそ、ジェイコブと演じることを楽しみながら、とにかく前に進もうと思った。混乱したママがジャックに導かれるように」とラーソン。

    • ジョイ(右)とジャック(左)。原作のエマ・ドナヒュー自身が映画の脚本も手がけた
      ジョイ(右)とジャック(左)。原作のエマ・ドナヒュー自身が映画の脚本も手がけた

     ジャックが初めて、外の世界を見た時の演技は圧倒的。ラーソンが、「外に出て、初めて空を見つめる場面では何を考えていたの?」と問うと、トレンブレイは「一生懸命集中して演じた。初めての大都市に行った時に『ワオ!』と思うでしょう? そうした感覚を基に想像を膨らませた」。

     物理的な脱出の後に描かれるのは、内面のトラウマからの脱出劇。ここからはラーソンが心の傷を見事に演じる。彼女によれば、時系列に沿って行われた撮影が有効だったようだ。例えば、ジョイが自宅の部屋に初めて戻る場面。その時の気持ちについては、事前に監督と随分話し合ったが、結論が出なかった。「でも、実際にその場面に至ると、驚くべきことに何も感じなかった。なぜなら、目の前の現実と関わる準備ができていなかったから。その複雑な反応を彼女の身になって演じられたのは、順を追ってその心の軌跡を演じられたからこそ」

     ともに誠実に役と向き合った。また共演したいかと問うと、声をそろえて「オー、イエス」。温かな結びつきをにじませた。

    2016年04月07日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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