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    ベルリン国際映画祭2017

    ベルリン開幕、オープニング作品は「ジャンゴ」 

    • オープニングを迎えたベルリン国際映画祭
      オープニングを迎えたベルリン国際映画祭

     世界三大映画祭の一つ、ベルリン国際映画祭が9日夜、開幕しました。日本関係の作品では、SABU監督、台湾のチャン・チェン主演の「ミスター・ロン」が、最高賞の金熊賞を争うコンペティション部門に出品されています。19日まで続く映画の祭典の様子を随時、お届けします。(文化部 田中誠)

     オープニング作品は、コンペティション部門に出品されているフランスのエチエンヌ・コマール監督の「ジャンゴ」でした。第2次世界大戦中、ナチス・ドイツの占領下にあったフランスを舞台に、実在のジャズミュージシャン、ジャンゴ・ラインハルトが見舞われる過酷な運命を描いた伝記映画です。

     ジャンゴは、ベルギー生まれのジプシー(ロマ)で、その伝統音楽と、アメリカ発祥のジャズを融合させたことで知られる偉大なミュージシャンです。映画には、演奏シーンがたくさんあり、人々を楽しませ、結び付け、そして癒やす音楽の力を伝えています。理論ではなく感性で音楽を奏でるジャンゴの、「俺は音楽を知らない。でも、音楽は俺を知っている」というセリフが格好良かったです。

    地味? 実はナチス批判も

    • オープニング作品「ジャンゴ」
      オープニング作品「ジャンゴ」

     三大映画祭のオープニング作品としては華やかさに欠けるのでは、とも思いましたが、この映画の狙いは、ナチス・ドイツに対する批判にあったように思います。ナチスに迫害されるジプシーであることから、ジャンゴは絶頂期に逃亡生活を選びます。ナチスがジプシーを劣性民族として研究していたというエピソードも出てきます。そんな蓋をしたい過去を扱った他国の作品を、栄えあるオープニング作品に選ぶとは……。この映画祭、というかドイツ人はなんと懐が深いのでしょう。過去に目を背けない姿勢に敬服しました。

     ただ、9日午前に行われた審査員の記者会見で、審査員の一人のメキシコ人俳優、ディエゴ・ルナが「私たちはメッセージを伝えるためにここに集まっているわけではありません。聞くために集まったのです」という趣旨の発言をしていました。その意見に賛成です。とかく政治的だと言われるベルリンですが、やはり映画の祭典であってほしい。結果として、私たちの目を見開かせてくれるような映画に賞を与えることになったとしても、まずは面白い映画、新しい才能に出会えたら、と思っています。

    2017年02月10日 13時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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