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    ベルリン国際映画祭2017

    きらりと心に残った作品

     ベルリン国際映画祭は19日(現地時間)、閉幕しました。主にコンペティション部門の映画や日本映画を中心に取材をしていましたが、映画祭ならではの、多彩な映画に出会うことができました。

     記者は、日本で公開されたらお客さんが来るかな、という観点で映画を見ていたのですが、国や地域のバランスを重視するからなのか、豪華さを出すために有名監督の作品を入れるからなのか、「え、これが三大映画祭のコンペ?」という作品も少なくありませんでした。

     ただ、何本かはいけそうです。審査員大賞の「フェリシテ」は日本公開が決まったそうですし、脚本賞の「ファンタスティック・ウーマン」はソニーが北米地域などの配給権を買ったというニュースを目にしました。金熊賞に選ばれた「オン・ボディー・アンド・ソウル」に興味を示している日本の映画会社の人もいました。チャンスがあったらご覧になってください。

    ぐいぐい引き込まれた「ハブ・ア・ナイス・デイ」

    • ハブ・ア・ナイス・デイ
      ハブ・ア・ナイス・デイ

     受賞作以外では、中国のリュウ・ジェン監督のアニメーション映画「ハブ・ア・ナイス・デイ」が気になりました。インディペンデントの長編アニメで、金に目がくらんだ男たちの滑稽な姿を、ブラックユーモアを交えて描いた犯罪映画です。フラッシュアニメのような安っぽさですが、脚本の良さと演出のテンポの良さで、ぐいぐい引き込まれました。ちょっとクエンティン・タランティーノ監督のような雰囲気もあり、次回作が楽しみになりました。中国のインディペンデント映画のレベルの高さを知ることができたのが、今回の収穫の一つです。

     ちなみに、金熊賞の本命だと思っていた、アキ・カウリスマキ監督の「アザー・サイド・オブ・ホープ」は監督賞でした。それでも十分すごいのですが、ネット中継で一緒に授賞式を見ていた海外の記者も驚きの声をあげていました。一方のカウリスマキ監督は泰然自若、マイペースそのものでした。名前が呼ばれても登壇せず、プレゼンターが持ってきたトロフィーをポケットにしまおうとしたり、マイク代わりにしてコメントしようとしたりと、やりたい放題。カメラは、シャツの裾がズボンから出ているのをばっちり押さえていました。しかも受賞者でただ1人、記者会見を欠席。残念ですが、そんなところも嫌いではないです。

    中堅・若手監督の台頭を感じる日本映画

    • 「テディ賞」の審査員特別賞を受賞し、喜びを語る荻上直子監督
      「テディ賞」の審査員特別賞を受賞し、喜びを語る荻上直子監督

     最近よく日本映画の存在感がなくなっていると言われますが、今年のベルリンを見る限り、荻上直子監督の「彼らが本気で編むときは、」が、LGBT(性的少数者)をテーマにした作品から選ばれる「テディ賞」の審査員特別賞を受賞するなど、中堅~若手の監督が台頭してきているように思います。韓国、中国など、アジアのライバルの勢いも感じましたが、来年も日本作品に頑張ってほしいと思います。

    (文化部 田中誠)

    ベルリン映画祭、金熊賞にハンガリーの監督作品

    2017年02月20日 13時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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