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    テレビ

    量産されるブラブラ散歩番組を支える「素人力」

    テレビコラムニスト 桧山珠美
     タレントが街中を歩く散歩番組が増え続けている。人気の観光スポット、昔ながらの商店街、ディープな歓楽街……。ただ、ブラブラと巡る“王道”あり、バスや鉄道を使った“応用バージョン”あり、最近では一風変わった“変化球”もある。なぜ、テレビに散歩番組があふれているのだろう。「低予算でできる」だけが理由ではないという。テレビコラムニストの桧山珠美さんが解説する。

    お~や、今日はどちらまで?

    • 長寿番組「ぶらり途中下車の旅」は電車をつかってブラブラ(日本テレビ提供)
      長寿番組「ぶらり途中下車の旅」は電車をつかってブラブラ(日本テレビ提供)

     「散歩番組」ブームのさきがけとなったのは、1992年10月にスタートし、現在も放送中の「ぶらり途中下車の旅」(日本テレビ系、土曜9時25分)だろう。

     この番組の特徴は、なんといってもナレーターと旅人の掛け合いにおもしろさが光る。「どこへ行くんですか~」とか「アハッ」などとナレーションで突っ込むところが斬新だった。

     「あっ、なんかいい匂いがしてきた」と旅人が言えば、「そろそろ、お昼どきですね~」とナレーターが返す。「『本気だんご』ってなんでしょう?」と看板に目をやる旅人に、「ちょっと行ってみましょう。そうしましょう」と背中を押す。

     初代ナレーターを務めたのは滝口順平。多くの視聴者は、今も滝口の独特の語り口が耳に残っているはずだ。滝口の死後、2代目の藤村俊二を経て、現在は3代目の小日向文世が務める。それぞれ、いい味を出している。

     旅人は、東京近郊のJR、私鉄、地下鉄の路線を使い、途中下車し、自由気ままに歩く。特急が止まるようなターミナルに限らず、「ここは下りたことがないなあ……」と言っては、なじみのない小さな駅で下車してちょっとした発見をするというのも魅力の一つだ。

     気になる店が閉まっていれば、あとでもう一度戻るというのも、行き当たりばったり感があっておもしろい。毎回、旅人が変わるので、同じ路線でも何度でも楽しめる。

    目的地と決めない魅力

     散歩番組人気の火付け役となったのは、2006年4月にスタートした俳優・地井武男の「ちい散歩」(テレビ朝日系)だろう。東京近郊の街を歩く――。それだけの内容だが、人懐っこい地井の人柄もあり、住民と触れ合う様子は瞬く間に注目されるようになった。

     放送1000回を機に行われた雑誌インタビューで、地井は散歩の魅力について、こんなことを語っている。

     「ぶらりと路地に入っていくこと、公園を見つけたらブランコに乗ること、途中で買い物をすること、鳥を見ること……。計画的じゃなく、最初から目的地と決めずに歩く」

     地井は、闘病中の視聴者から、「この番組を見て、早く元気になって、いろいろな街を歩いてみたくなった」という内容の手紙をもらったことも明かしている。

     なにげない日常の風景を歩く姿は、シニア層の圧倒的な支持を得て、絵手紙やリュックなどの散歩関連グッズも発売される人気ぶりだった。

     12年5月から番組を引き継いだのは加山雄三だ。その名も「若大将のゆうゆう散歩」。スター・加山雄三の散歩は、それまでの庶民派・地井とは異なり、「殿様と大名行列」などと揶揄(やゆ)されることもあったが、若大将オーラ全開の散歩もそれはそれで楽しめた。15年からは現在の高田純次が担当する「じゅん散歩」がスタート。テキトー男・高田の散歩はおふざけ満載。「元気が出るテレビ」時代の高田を彷彿(ほうふつ)させる素人いじりも健在で、好きな人にはたまらない魅力がある。若い視聴者が増えたと聞く。

     それにしても、テレビの中は朝から晩まで、ぶらぶらする散歩ばかりだ。いわゆる「ぶら散番組」と言われる「散歩」「ぶらり旅」といった番組がどれだけあるか、ちょっと列挙してみよう。

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    2017年08月07日 07時08分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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