文字サイズ
    テレビ

    NHK朝ドラ「わろてんか」はホンマ笑えるか?

    PRプロデューサー 殿村美樹

    吉本せいの生涯は「ハラハラドキドキ」

    • 左から、北村藤吉(松坂桃李)、藤岡てん(新井美羽)。-屋根の上にて。てんからもらったチョコレートをほおばる藤吉(NHK提供)
      左から、北村藤吉(松坂桃李)、藤岡てん(新井美羽)。-屋根の上にて。てんからもらったチョコレートをほおばる藤吉(NHK提供)

     「花のれん」の物語は、序盤からハラハラさせられます。しかし、どんなにドキドキしていても、ヒロインは奇抜なアイデアと行動力で乗り切ってしまいます。

     だから、読者は「ハラハラしては、ホッとする」を繰り返し、いつの間にか夢中になって、あっという間に読了してしまいます。

     たとえば、ヒロインが演芸場を買収して寄席を商売にしようと思いつくシーンがあります。夫の芸道楽の影響で経営していた店が潰れ、八方塞がりに思える中で斬新なアイデアを提案します。

     「あんさん、そないに寄席や芸事好きでっか、世の中で一番好きなこと、したいことはそれでっか、そない好きやったら、芸人になってしもたらどうだす」

     「阿保いえ、芸見たり、芸人と遊んでいるさかい面白いのや、自分が芸人になったろとは思えへん」

     「そやったら、いっそのこと、毎日、芸人さんと一緒に居て商売になる寄席しはったらどうだす」

    (山崎豊子「花のれん」より抜粋)

    アイデアで乗り切った窮地

     どうやら、吉本せいは、すごいアイデアウーマンだったようです。

     寄席を始めたものの客がさっぱり来なくて困った時も、ヒロインのアイデアが窮地を救います。 

     ヒロインは暑い夏に客寄せをしようと冷し(あめ)を売るのですが、なかなか冷えず、客から「氷でちゃんと冷やしてや」と苦情を言われます。そこでヒロインは、氷を客に見える店頭に置き、そこに冷やし飴を置くことを思いつきます。今でいう“サービスの見える化”です。

     「さあ、冷たい冷たい冷し飴、ついでに隣の寄席へ入って、面白おかしう笑うてはったら、暑いのん忘れまっせ、さあ、お入り、お入り!」

     「おもろいこと云うおばはんやなぁ、1回ひやかしに入ってみたろか」

    (山崎豊子「花のれん」より抜粋)

     冷やし飴を売るだけでなく、肝心の寄席の呼び込みも忘れません。思いがけずフリー(一見(いちげん))の客もついてきました。このように、吉本せいの人生は、次々に襲い掛かる絶体絶命のピンチをアイデアで切り抜けるシーンが多く登場するのです。

    【あわせて読みたい】
    「直虎」の視聴率低迷はやはり「女大河」のせい?
    企業PR?NHK朝ドラが女性実業家ばかりのワケ
    炎上と延焼を繰り返すネットCMの舞台裏

    2017年10月01日 08時01分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR情報
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP
    ブログ
    アーカイブ