文字サイズ
    テレビ

    NHK朝ドラ「わろてんか」はホンマ笑えるか?

    PRプロデューサー 殿村美樹

    「あさが来た」を連想させる登場人物

    • 伊能の事務所にて。藤岡てん(葵わかな)と武井風太(濱田岳)のために、宿の手配をする伊能栞(高橋一生)(NHK提供)
      伊能の事務所にて。藤岡てん(葵わかな)と武井風太(濱田岳)のために、宿の手配をする伊能栞(高橋一生)(NHK提供)

     そういえば、平均視聴率23.5%を記録し大ヒットした朝ドラ「あさが来た」(15年度下半期)も、大阪の女性実業家を描いた作品でした。ハラハラする展開の連続でしたが、そのたびに、ヒロインが斬新なアイデアと行動力で困難を乗り切る姿にくぎ付けになりました。ヒロインが、「わろてんか」と同じ京都の商家のお嬢様という共通点もあります。

     最近の朝ドラといえば、ヒロインの脇を固める男性陣も重要です。「わろてんか」に出演する顔ぶれは、「あさが来た」のキャラクターに重なる一面を持ち合わせています。

     

    ・松坂桃李さんが演じる芸人の夫・北村藤吉
    ⇒「あさが来た」で玉木宏さんが演じた芸事の好きな夫(白岡新次郎)

    ・高橋一生さんが演じる青年実業家・伊能栞
    ⇒「あさが来た」でディーン・フジオカさんが演じた五代友厚
     

     それぞれの役柄も雰囲気も、実によく似ています。

     もしかしたら「わろてんか」は「あさが来た」を連想させつつ、物語を二転三転しながら、視聴者を惹きつける作戦なのかもしれません。

    わろ‐てんか【笑てんか】

     タイトルの「わろてんか」は、「笑ってください」「笑ってほしい」という意味です。ただ、その解釈は様々考えられます。「笑いにもいろいろある」ということです。

     楽しい「笑い」だけでなく、「泣き笑い」「悔し笑い」「照れ笑い」も「笑い」です。吉本せいの人生を振り返ると、様々な笑いこそが、このドラマのテーマなのではないでしょうか。

     透明感あふれる葵わかなさんがヒロインを演じる理由もうなずけます。

     うれしい場面で破顔し、悔し涙を隠す作り笑いで自らを奮い立たせ、そして、シリアスなシーンも一笑に付す。彼女なら、様々な笑顔を見せてくれそうです。天真爛漫で裕福な京都のお嬢様というのも、そんな笑いの源泉として必要な設定なのかもしれません。

     「なんや、吉本興業の創業者が京都さんやんけ」

     こう思って、ちょっとがっかりした大阪人も、いずれ恵まれた環境から苦労を重ね、笑いで乗り越えるヒロインを見ていくうちに、「さすが吉本の創業者や」と魅了されることになるのでしょう。

     この「笑い」の変化こそが「わろてんか」の見どころなのかもしれません。

    プロフィル
    殿村 美樹( とのむら・みき
     PRプロデューサー。京都府宇治市生まれ。TMオフィス代表取締役。同志社大学大学院ビジネス研究科「地域ブランド戦略」教員。関西大学社会学部「広報論」講師。「ひこにゃん」(滋賀県彦根市)、「うどん県」(香川県)など地方のPR戦略を手がけてきた。「今年の漢字」もプロデュース。主な著書は「テレビが飛びつくPR」(ダイヤモンド社)、「ブームをつくる」(集英社新書)など。

    • 「ブームをつくる」(集英社新書)
      「ブームをつくる」(集英社新書)
    2017年10月01日 08時01分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR情報
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP
    ブログ
    アーカイブ