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    第30回東京国際映画祭

    「私たちはどこへ向かう?」最高賞監督、壇上から問いかけ

    • 「グレイン」で最高賞の東京グランプリを受賞し笑顔を見せるセミフ・カプランオール監督(3日午後、東京都港区で)
      「グレイン」で最高賞の東京グランプリを受賞し笑顔を見せるセミフ・カプランオール監督(3日午後、東京都港区で)

     第30回東京国際映画祭は3日、10日間の会期を終えて閉幕。クロージングセレモニーでは、各セクションの受賞結果が発表されました。

     コンペティション部門の最高賞、東京グランプリに選ばれたのは、トルコのセミフ・カプランオール監督によるSF「グレイン」。難民問題や食糧危機を抱えた近未来がテーマのSF映画。「私たちは世界に様々な害を与えている。私たちはどこから来てどこへ向かっているのか?」。授賞式の壇上から、カプランオール監督が投げかけた問いが印象的でした。

     コンペティション部門の審査委員長を務めたトミー・リー・ジョーンズさんは、審査の様子を「五つの言語が飛び交い、まるで国連のようだった」とユーモアを交えて語りつつ、「最良の映画祭は製作者や観客を商業主義から解放すること」という信条を明かしていました。ちなみに、クロージング作品「不都合な真実2:放置された地球」を手がけたアル・ゴアさんとは、「長年の親友」。互いにそう呼び合い、場を盛り上げていました。

     授賞式での監督たちのリアクションは人それぞれ。審査委員特別賞の「ナポリ、輝きの陰で」を共に作り上げたシルヴィア・ルーツィ&ルカ・ベッリーノ監督は、壇上でキスするなどして喜びをシェア。最優秀監督賞「アケラット―ロヒンギャの祈り」のエドモンド・ヨウ監督は「映画祭に来ると映画人は一つのファミリーだと強く思う」と誠実な表情で語っていました。観客賞に選ばれた「勝手にふるえてろ」の大九明子監督が、発表を受けて「キャア!」と叫び声を上げ、壇上で「映画にしがみついていて良かった」と感無量の様子で語っていたのもいい風景でした。

    • 東京グランプリを受賞し、ステージへ向かうセミフ・カプランオール監督(3日午後4時30分、東京都港区で)
      東京グランプリを受賞し、ステージへ向かうセミフ・カプランオール監督(3日午後4時30分、東京都港区で)
    • コンペティション部門審査委員長のトミー・リー・ジョーンズさん(左)と抱き合うアル・ゴアさん
      コンペティション部門審査委員長のトミー・リー・ジョーンズさん(左)と抱き合うアル・ゴアさん

     ちなみに、今年上映された映画は、昨年を25本上回る231本。観客動員数(速報値)は約3000人増の6万3679人。作品を増やして観客の選択肢を増やすか。絞り込んで1つの作品を何回も見せるか。観客の声を反映させながら、より良いプログラムを作ってもらいたいものです。(文化部・武田裕芸、写真・栗原怜里)

    第30回東京国際映画祭の受賞結果

    ◇コンペティション部門

    • 最優秀男優賞を受賞しあいさつする俳優のドアン・イーホンさん
      最優秀男優賞を受賞しあいさつする俳優のドアン・イーホンさん

    ・東京グランプリ 「グレイン」(トルコ、ドイツ、フランス、スウェーデン、カタール)/セミフ・カプランオール監督

    ・審査委員特別賞 「ナポリ、輝きの陰で」(イタリア)/シルヴィア・ルーツィ、ルカ・ベッリーノ監督

    ・最優秀監督賞 エドモンド・ヨウ監督/「アケラット―ロヒンギャの祈り」(マレーシア)

    ・最優秀女優賞 アデリーヌ・デルミー/「マリリンヌ」(フランス)

    ・最優秀男優賞 ドアン・イーホン/「迫り来る嵐」(中国)

    ・最優秀芸術貢献賞 「迫り来る嵐」(中国)/ドン・ユエ監督

    ・最優秀脚本賞 「ペット安楽死請負人」(フィンランド)/テーム・ニッキ監督

    ・観客賞 「勝手にふるえてろ」(日本)/大九明子監督

    ◇「アジアの未来」部門

    ・作品賞 「僕の帰る場所」(日本、ミャンマー)/藤元明緒監督

    ・スペシャル・メンション 「老いた野獣」(中国)/チョウ・ズーヤン監督

    ・国際交流基金アジアセンター特別賞 藤元明緒監督/「僕の帰る場所」

    • 東京ジェムストーン賞を受賞し記念撮影で笑顔を見せる女優の石橋静河さん(左)とダフネ・ローさん
      東京ジェムストーン賞を受賞し記念撮影で笑顔を見せる女優の石橋静河さん(左)とダフネ・ローさん

    ◇「日本映画スプラッシュ」部門

    ・作品賞 「Of Love & Law」(日本、英国)/戸田ひかる監督

    ◇“SAMURAI(サムライ)”賞

     坂本龍一

    ◇東京ジェムストーン賞

    松岡茉優/「勝手にふるえてろ」(日本)

    石橋静河/「夜空はいつでも最高密度の青色だ」(日本)

    アデリーヌ・デルミー/「マリリンヌ」(フランス)

    ダフネ・ロー/「アケラット―ロヒンギャの祈り」(マレーシア)

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    2017年11月06日 17時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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